経団連タイムス No.3065 (2011年11月24日)

自民党首脳との懇談会開催

−震災復興、TPP、社会保障、税制などをめぐり意見交換


発言する谷垣総裁

経団連(米倉弘昌会長)は15日、都内のホテルで自由民主党首脳との懇談会を開催し、当面の重要政策課題等をめぐり意見交換を行った。会合には自民党から、谷垣禎一総裁、大島理森副総裁、石原伸晃幹事長、塩谷立総務会長、茂木敏充政調会長、中曽根弘文参議院議員会長、溝手顕正参議院幹事長、川崎二郎財務委員長、森山裕経理局長らが出席。経団連からは、米倉会長、渡文明評議員会議長、各副会長、大橋光夫政治委員長ら15名が出席した。

冒頭、米倉会長は、「長引く低成長とデフレ、歴史的な水準にある円高、巨額の政府債務といった従来からの問題に加え、東日本大震災からの早期復興という大変な課題に直面している」と述べた。そのうえで、わが国がこの危機的な状況を打開するためには、「経済成長戦略の実行、社会保障と税・財政の一体改革、高いレベルの経済連携の推進、エネルギー・環境政策の再構築などのスピーディーかつ力強い推進が不可欠だ」と重要政策課題の推進を要望した。

続いてあいさつに立った谷垣総裁は、「わが国の状況に対する認識は米倉会長と同様だ。長引くデフレや円高への対策に加え、震災復興を力強く推進しなければならない」とし、自民党の当面の対応としては、復興には全面的に協力し、第3次補正予算の迅速な成立に協力していくことを表明した。一方、野田政権に対しては、「普天間問題、TPP(環太平洋経済連携協定)、社会保障と税・財政の一体改革、来年度予算などさまざまな課題に取り組んでいるが、及び腰で臨めば失敗する。とりわけ本腰を入れなければならない課題が消費税の問題だ。まずは国民に信を問うて、足腰を鍛え直さなければならない」と指摘し、自民党としては、協力すべきは協力するものの、問題点をしっかり指摘していく姿勢を明確にした。

その後、震災復興やTPP、社会保障、税制などをめぐって、意見が交わされた。震災復興については、自民党側から、577の提案や12の議員立法の実現など自民党の成果が紹介された。

また、TPPをめぐっては、経団連側が「交渉参加を表明した以上、新たな時代のルールづくりをはじめ交渉に積極的に参加し、協定の成立に全力を挙げることが重要」と述べたのに対し、自民党側からは、「TPPについては、準備期間が短く、国民への説明も不足し、省庁の試算結果もバラバラだ。本来、議論すべきことが全く議論されておらず、先のAPECでの交渉参加の表明は拙速だと党として判断した」と発言があった。

【政治社会本部】
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