経団連タイムス No.3065 (2011年11月24日)

第6回日本・南アフリカビジネスフォーラム開催

−南ア・ヨハネスブルグで両国経済界が意見交換


両国経済界から約60名が参加、意見を交換した

経団連は9日、南アフリカのヨハネスブルグで、南アの有力な経済団体であるビジネスリーダーシップ・サウスアフリカ(BLSA)と第6回日本・南アフリカビジネスフォーラムを開催した(日本側代表=土橋昭夫サブサハラ地域委員長、南ア側代表=マイケル・スパイサーBLSA副会長)。両国の経済界から約60名が参加し、グリーン成長、人材育成・職業能力開発、インフラ整備・天然資源開発での協力をめぐり意見交換を行い、その可能性を探った。

グリーン成長のセッションでは、南ア側が、急増する電力需要への対応や温暖化対策のために、再生可能エネルギーの推進等が課題であるとの認識を示し、高い技術力を持つ日本企業の協力を求めた。これに対して日本側は、グリーン成長で目指すべきゴールは環境と経済の両立であり、日本の環境技術をアフリカにも活用し、持続可能な開発への支援をしたいと表明した。

人材育成・職業能力開発のセッションでは、南ア側から、学校での基礎教育や職業訓練の不備などを背景に技術者が不足する一方、技能を持たないために職に就けない若者が多数存在するミスマッチの状況が説明された。若年失業者が300万人に上る深刻な状況に対し、このミスマッチを解消すべく、産業界が政府と協力して技能開発プログラムを策定しているとの紹介があった。南アで事業を行っている日本企業からも、企業内で技能開発プログラムを整備して体系的に人材育成を行っている例や、CSR活動として学校施設整備の支援などを行っている例などを紹介した。

インフラ整備・天然資源開発のセッションでは、南アにおける(1)電力不足(2)道路・鉄道、港湾等の輸送インフラの未整備(3)水資源の不足――が天然資源開発をはじめ経済発展のネックになっているとの認識で一致した。また、インフラ整備の膨大な需要を満たすためには、PPP(官民連携)スキームの活用が重要であるとの点で意見が一致した。日本側からは、インフラをパッケージで海外展開している例やPPPスキーム活用の具体例を紹介するとともに、大震災等の経験を活かし、アフリカを自然災害から守るインフラ整備に貢献していきたいと表明した。

フォーラム全体を通して、南ア側は、さらなる経済発展を図るうえで、技術力や人材開発の必要性を強調し、この点において、日本企業が貢献できる可能性は極めて大きいとの認識を共有した。

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フォーラムの翌日、ケープタウンで、ギガバ公共企業大臣、ピータースエネルギー大臣、フランスマン国際関係・協力副大臣とそれぞれ懇談する機会を得た。そのなかで、COP17(国連気候変動枠組条約第17回締約国会議)議長を補佐するフランスマン副大臣には、京都議定書を単純延長することなく、すべての排出国が責任あるかたちで参加する単一の国際枠組を構築すべきであるとの経団連の主張を説明し、理解を求めた。

【国際協力本部】
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