経団連タイムス No.3066 (2011年12月1日)

川端総務相らとの懇談会開催

−情報通信政策、地域主権改革、地方税制等で意見交換


発言する川端総務相

経団連は11月28日、東京・大手町の経団連会館で、総務省政務三役との懇談会を開催した。懇談会には、総務省から川端達夫総務大臣、松崎公昭副大臣、黄川田徹副大臣、主濱了政務官、福田昭夫政務官が、経団連から米倉弘昌会長をはじめ、副会長、評議員会副議長らが出席した。

冒頭、米倉会長は、依然として厳しい被災地の現状を踏まえ、「復興庁の設置や復興特区の創設、補正予算の着実な執行等、被災地の復旧・復興にかかる取り組みをスピードアップする必要がある」と強調するとともに、「企業が成長のエンジンとして持てる力を最大限に発揮できるよう、法人実効税率の引き下げを含めた抜本改革や、道州制に向けた地域主権改革、電子行政の推進、情報通信技術(ICT)の利活用の拡大が不可欠」と指摘し、政策実現に向けた川端大臣らの実行力、指導力の発揮を求めた。

続いてあいさつした川端大臣は、震災からの復旧・復興や、円高、巨額の財政赤字等、わが国が直面している課題を指摘したうえで、「ICTはビジネスのみならず、国や世界のかたちを変えていく重要なインフラだ」「地方が疲弊している現状に鑑み、将来の道州制の検討も射程に入れた、地域主権改革が不可欠」と述べるとともに、「国家戦略会議における議論なども含め、経団連には経済界の総元締めとして国のかたちづくりに力を発揮いただきたい」と言及した。

■ 意見交換

意見交換では、まず渡辺捷昭副会長が情報通信政策・電子行政、および地方税制について言及。「被災地の復旧・復興に際し、ICTを十二分に利活用するとともに、これを日本全体の成長に結び付けることが重要」「電子行政の実現に向け、行政CIO(最高情報責任者)の設置、電子行政推進法の整備、番号制度の早期構築が不可欠」「高度ICT人材の育成に向け、産学官の連携を一層強化すべき」と述べるとともに、地方税制について、自動車の車体課税の抜本的見直しや固定資産税の負担軽減等を指摘した。

続いて畔柳信雄副会長は、道州制・地域主権改革について、「地域の活力を高めるためには、国と地方の役割分担を抜本的に見直し、国・地方を通じた行財政改革を行う必要があり、その究極の姿が道州制である。その実現に向け、地方分権の積極的な推進、自治体間の広域連携の積極的な促進、道州制と地域主権改革に関する国民の理解の促進が必要」と述べた。

これに対し川端大臣から、「ICTは国の活力を向上させる基盤で、経団連と基本認識は一致している。電子行政推進や政府CIOの設置なども含め積極的に取り組みたい」「地方税の負担軽減については、厳しい地方財政の現状に鑑み、代替財源の確保という観点も踏まえながら、党、政府税調で議論が進められている」「国の出先機関の原則廃止など地域主権戦略について、年内に方向性を出していきたい」とのコメントがあった。

【産業技術本部】
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