表紙イメージ 経済Trend ロゴ2008年5月号

新たなステージを迎えたPFI/深化するロシア・ビジネス
今月の表紙: 菅野圭子 作 「鐘楼」 (口と足で描く芸術家協会提供)
障害を持つ方々の個性豊かで、印象深い絵画を厳選してご紹介しています。

巻頭言

「融合イノベーション」に向けて
榊原定征 (日本経団連副会長/東レ社長)

特集
新たなステージを迎えたPFI

二度にわたる法改正、ガイドラインの整備を経て、導入実績が増加していたPFI事業の前進にかげりが出ている。利用者、発注者、事業者のすべてに魅力のあるスキームを形成し、PFI事業の本格的発展に向けて、どのような改革、施策が必要かを議論する。
鼎談
小倉勝彦 (日本経団連都市・地域政策委員会PFI推進部会長/大成建設専務)
収益性が低ければ民間事業者の取り組み意欲が低下してしまう。良質なサービスの提供に見合った価格となるよう、発注者と事業者が応札前の段階で行う競争的対話をはじめ、最後まで徹底した対話をしていく必要がある。民間がどんどん喜んで参加するような仕組みづくりがPFIの拡大につながる。
松本俊彦 (前みずほコーポレート銀行ストラクチャードファイナンス営業部長/米国みずほコーポレート銀行社長)
官は公共事業を民間に任せるにあたり、事業モニタリングの責任を分担していくような建設的な役割を金融機関に対して求めるべきである。今後は、新たな分野である社会インフラ、生活インフラの運営部分などにもPFI導入が考えられるのではないか。PFIを単なる公共調達の手段ではなく、社会のニーズに合った公共サービスの展開と考えれば、社会の有り様も変わる。
前田 博 (西村あさひ法律事務所弁護士)
PFIでは市場調査等を通じ事業者と話し合いながら要求水準を明確にし、それに見合った費用を積算することが肝要である。発注者が意図を明確に伝え、民間の創意工夫を活かした提案を受けるには、責任者が濃密な時間をかけて対話することが不可欠である。また目的に適した施設の整備計画となるよう、官側は提供するサービスの内容や住民に対するサービスの質的向上を考えるべきである。

●PFIのこれまでの動きと現状

●PFIが克服すべき課題

●新たな分野へPFI導入の検討

●PFIをさらに拡大していくために

PFIはなぜ必要か
渡 文明 (日本経団連副会長/新日本石油会長)
公共サービスに向けた官・民の意識改革が求められる
美原 融 (三井物産戦略研究所プロジェクト・エンジニアリング室長)
地方自治体におけるPFI事業の活用
谷 史郎 (自治体国際化協会審議役・前北九州市財政局長)
民間で整備・運営する新しい刑務所の現状と今後の展望
〜美祢および喜連川社会復帰促進センターを開所して
太田幸充 (社会復帰サポート美祢常務取締役)
北川伯生 (社会復帰サポート喜連川常務取締役)
英国のPFIを支えるPartnerships UKの取り組みとわが国への示唆
長井篤司 (富士通総研常務取締役)

特集
深化するロシア・ビジネス

グローバル経済の中で国際的な関心がますます高まるロシア。プーチン政権を継承しつつも、イノベーション、開発技術の加速などで一層の経済発展をめざすメドヴェージェフ新大統領の誕生により、今後さらなる発展が期待されるロシア経済の現状や日ロ経済関係の深化と拡大への展望を議論する。
座談会
安西邦夫 (日本経団連日本ロシア経済委員長/東京ガス相談役)
日ロ間の経済交流は近年飛躍的に進展しているが、両国の有する潜在力に比べればまだ交流の規模は非常に小さく、現状に甘んじてはいけない。ロシアの会社法や税制・法制度、その運用の改善、複雑な許認可手続の簡素化などを求める声は依然として多い。新政権への期待は大きく、よき隣人として両国の人的交流、ビジネス交流がますます活性化していくことを願っている。
槍田松瑩 (日本経団連副会長/三井物産社長)
豊富な天然資源を有し成長を続けるロシアは、エネルギーの供給国であると同時に、マーケット・ロシアとして大変重要になってきている。日ロビジネスの一層の発展に向け、WTO、OECDへの加盟、シベリア鉄道を中心とした物流網の整備、金融センターの創設、人的交流も含めた両国の経済交流の深化・多様化などが期待される。
アレクサンドル・ラブレンチェフ (ロシア連邦通商代表部主席)
メドヴェージェフ新政権の課題は、イノベーション経済、イノベーション社会を構築していくことである。具体的には、インフラ整備や人的資本の改善も含めて企業が活動しやすい環境をつくりながら、設備を更新し、国際競争力を有する製品を開発していくことである。そのために、日本を含む外国企業の組織力や商品開発力、マーケティング力に期待している。
久保田政一 (司会:日本経団連常務理事)

●世界で存在感を増すロシア

●急成長するロシア経済とわが国経済界の対応

●有望分野・地域におけるビジネス拡大の可能性

●日ロ経済関係の深化と拡大への展望

最近の日本ロシア経済委員会の取り組みについて
〜ビジネス環境等に関するアンケート結果を踏まえて
辻 亨 (日本経団連日本ロシア経済委員会副委員長/丸紅取締役相談役)
ロシア経済の現状と日本にとってのビジネスチャンス
ミハイル・ベールィ (駐日ロシア連邦特命全権大使)
ロシア・ビジネス事例
トヨタ自動車の取り組み
立原 聡 (トヨタ自動車ヨーロッパ部新規プロジェクト室長)
  • ロシア工場の発進
  • 急成長するロシア市場での戦い
  • 数々のハードル
  • 夢は大きく
近鉄エクスプレスの取り組み
〜物流の面から見たロシア市場
塩澤重利 (近鉄エクスプレス開発部部長トランスコンテナーセンター担当)
  • ロシア経済の変遷と商品取引の正常化
  • 物流変革とシベリア鉄道への期待
  • 当社の取り組み 〜第三の輸送方法の提供
大和証券SMBCの取り組み
丸山義雄 (大和証券SMBCコーポレート・ファイナンス副担当参与)
  • 大和証券SMBCとロシアとの関係
  • ロシアにおけるビジネス環境
  • 当社のロシア戦略
松下電器産業の取り組み
冨田真人 (松下電器産業役員CIS中近東アフリカ本部長)
  • 当社のロシア・ビジネスの歴史
  • 変わりゆくロシア市場
  • 当社の取り組み
  • 今後の取り組みと課題

広報委員長対談『世界で活躍する日本人』
ゆっくり歩いても負けないんだよ
十二代目
市川團十郎 (歌舞伎役者)
古川一夫 (日本経団連副会長・広報委員長/日立製作所社長)
提言
国民本位で「究極の構造改革」道州制の実現を
道州制の導入に向けた第二次提言−中間とりまとめ−を公表
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/008.pdf
中村邦夫 (日本経団連副会長・道州制推進委員長/松下電器産業会長)
  • 国民本位の道州制の導入を
  • 官から民へ、国から地方へ
  • 地方分権改革の断行を
  • 国民世論の喚起を
「知的財産推進計画2008」の策定に向けて
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/009.pdf
野間口 有 (日本経団連知的財産委員長/三菱電機会長)
  • これまでの知的財産政策によって企業の意識が向上
  • 国際的視点に立った政策展開が重要
  • オープン・イノベーションの推進と知的財産立国の実現
  • 文化産業戦略の視点に立ったコンテンツ産業の振興
循環型社会の形成に向け自主的取り組みの着実な進展
環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕2007年度フォローアップ調査結果
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/010/index.html
吉川廣和 (日本経団連環境安全委員会廃棄物・リサイクル部会長/DOWAホールディングス会長)
国際会計基準に関する欧州調査の概要
八木良樹 (日本経団連経済法規委員会企業会計部会長/日立製作所取締役)
〈解説〉
「保険法改正」について
大村多聞 (ケネディクス監査役/帝京大学法学部教授/前日本経団連経済法規委員会消費者法部会長代行)
〈解説〉
国際物品売買条約への加入とわが国経済界にとっての意義
細野充彦 (住友商事法務部第一チーム長)

● 道州制の取り組み
道州制の実現に向けた中国地域の取り組み
福田 督 (中国経済連合会会長)
● 国際標準化最前線
国際標準化は企業が主役を演じるべき舞台です
原田節雄 (ソニースタンダード&パートナーシップ部ダイレクター/IEC SMB 委員)
● あの時、あの言葉
おもてなしの心は最後が大切
中村胤夫 (三越相談役)
● エッセイ「時の調べ」
Nが教えてくれたこと
亀山郁夫 (ロシア文学者・東京外国語大学長)
● 翔べ!世界へ―奨学生体験記
出会いに学んだ留学生活
森(菅谷)立子 (元東京藝術大学非常勤講師)

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