本会は去る九月廿六日非戦災者特別税に関する意見を発表し、これを政府に建議したが、法人課税上の経理措置については、なお未解決の問題を多く残し、ことに特別経理会社における税負担を新旧勘定いずれに属せしめるかによって今後の産業金融におよぼす影響も異ってくるので、引続きこの点に慎重検討を加えた結果、左の如き結論を得た。よって左記にその要領をかかげ、政府の善処を要望する。
(一) 特別経理会社ならびに金融機関に対しては次の如く措置すること。
(イ) 非戦災家屋税については、指定時現在旧勘定に所属する家屋の分は旧勘定で負担し、新勘定に所属する家屋の分は新勘定で負担するものとする。
(ロ) 非戦災者税はその本質が動産税たることにかんがみ、実際上動産の大部分を所有している新勘定が原則としで全額を負担するものとする。但し事業転換等の理由により旧勘定の動産所属割合が特に大きい場合には、動産の所属比率に応じて旧勘定が負担する。
(ハ) 金融機関の非戦災者税については、金融機関経理応急措置法の経費分担の原則により総額の二割を旧勘定、八割を新勘定の負担とする。
(二) 法人の非戦災家屋税は当該建物が負担する一回限りの課税であるから、会社の選択により不動産所得税、登録税と同じく税額をその記帳価額に加算し得る如く経理上特別の措置を講ずること。
(三) 法人の非戦災者税は、会社経理の現状から見て、これを一時に損失に計上することは適切ではないから、繰越経理を認めること。