第３回経済運営と景気動向に関する
アンケート調査結果について

調査の概要

経団連経済政策委員会（委員長：櫻井 孝頴 第一生命保険会長）では、下記により
「第３回経済運営と景気動向に関するアンケート調査」を実施した。

調査対象

経団連常任理事（団体会員を除く）および会長・副会長。合計 211名

調査期間

2000年6月12日〜6月22日

回答率

全体　59%（211名中 124名）

製造業（素材型）	59%	（56名中 33名）
製造業（加工型）	70%	（60名中 42名）
非製造業(金融・保険除く)	48%	（64名中 31名）
金融・保険	58%	（31名中 18名）

業種分類について

アンケート結果における業種分類は以下の区分による



　製造業(素材型)

繊維、紙パ、化学、石油精製、窯業、鉄鋼、非鉄

　製造業(加工型)

食料品、金属製品、一般機械、電機、造船・重機、自動車、精密機械

　非製造業(金融・保険除く)

建設、不動産、商社、小売、運輸・通信、サービス、リース、電力・ガス、鉱業

　金融・保険

銀行、証券、保険

（参考）過去の調査実施状況

第１回調査

調査期間	：	1999年8月27日〜9月9日
調査対象	：	経団連常任理事（会長・副会長、団体会員除く）
回 答 率	：	58%

第２回調査

調査期間	：	2000年1月11日〜1月27日
調査対象	：	経団連常任理事（会長・副会長、団体会員除く）
回 答 率	：	64%

なお、第１回、第２回調査は試行調査であり、調査結果については基本的に公表していない。




調査結果

【景気見通し】

2000年度実質成長率の見通し

1. 上期は、0.5〜1.0%未満、下期は、1.5〜2.0%未満との見方が最も多く、前回に比べ、上期・下期ともに見通し水準の上方シフトがみられる。
2. 年度通期では、政府見通しの 1.0%ないしはこれを上回るとの見方が、88%を占めた。






2000年度平均為替相場、輸出関連企業の採算レート見通し

1. 平均為替相場
   

   1. 上期は、105〜110円未満との見方が 90%を占めた。
   2. 下期は、100〜105円未満との見方と、105〜110円未満との見方がほぼ等しくなった。

   
   
   

2. 輸出関連企業採算レート

   1. 前回調査に比べて、製造業全体の採算レートは円高方向に改善し、「通期を通して、採算レートが予想為替相場より円高水準にある」と回答した企業が、増えている。
   2. 製造業(加工型)は、製造業(素材型)に比べて採算レートの改善が進んでいる。

   採算レートの水準	上期下期とも、 自社予想為替相場 より円安水準	上期下期いずれかで、 自社予想為替相場 より円安水準	上期下期とも、 自社予想為替相場 より円高水準	合計
   今回	12	5	27	44
   前回	18	5	14	37

   
   
   
   

2000年度中の株式相場（日経225）の見通し

最高値は 20,000円、最低値は 16,000円との見方が最も多い。




個人消費の回復時期（択一）

個人消費の回復時期は、年内との見方と、年明け以降との見方がほぼ同数となっている。年内との見方の中では、2000年10〜12月期がほとんどを占め、全体の41%を占めている。




各社の2000年度のＩＴ関連投資伸び率（択一）

前回調査に比べ、ＩＴ関連投資計画は上方修正された。
特に、「前年度に比べ50%以上増額する」との回答が、製造業と金融・保険を中心に大幅に増えた。





【経済運営関係】

補正予算の必要性（択一）

前回と比べ、大幅な変化はなかった。




ゼロ金利政策について（択一）

いわゆるゼロ金利政策の継続を支持する回答と、政策転換を図るべきとの回答は、前回に比べ、ともにやや減少した。金融・保険については、ゼロ金利政策の継続を支持する回答が大幅に減少した。




2001年度予算編成の重点施策（選択肢より二つ以内選択）

税制改革と科学技術・産業技術の振興に重点をおくべきとの回答に集中した。




財政構造改革への着手時期（択一）

財政構造改革の着手は 2002年度が適当との回答が、53%を占めた。




財政構造改革の手順（択一）

歳出削減・効率化と税制抜本改革を同時に推進するべきであるとの回答が、70%を占めた。