[経団連] [意見書] [ 目次 ]
「一つ」の電子政府実現に向けた提言
―デジタル・オポチュニティを個人・企業・社会に開くために―

電子政府化重点項目に関するアンケート結果
(未定稿)

2000年8月2日
(社)経済団体連合会

実現目標年電子政府化重要項目理  由
できる限り
早急に
商業帳簿等の電子化と保存期限の短縮 保存等の企業のコスト負担が大きく、実現時の経済効果が大きい。
できる限り
早急に
住所・戸籍変更手続きのワンストップ化、住民票、戸籍謄抄本の申請、交付の電子化、国保、年金も 国民全体に対するサービスの向上と行政の効率化が期待できる。国民の身近な電子化をいち早く実施することにより、情報革命がより身近なテーマになることで、日本のIT革命の推進の原動力になる。(但し、プライバシーを考慮したシステム内容とすべきである)
できる限り
早急に
パスポートの取得、更新手続きのワンストップ化 日本人の国際化の進展に合せ、自宅等から電子的に申請できるようにし、本人が窓口に行くのを1回ですませられると便利
できる限り
早急に
入札資格審査申請のオンライン化、特に、「証明」機能の電子化 入札資格審査申請の内容は、各省庁マチマチで、証明書等の添付書類も膨大である。電子認証システムの中の本人(法人)確認の部分のみでも早急に実務展開してもらいたい。
できる限り
早急に
企業・行政情報等の情報公開促進
・有価証券報告書等の届出、縦覧手続きのオンライン化
・行政関連情報の検索サービス強化等
投資家等が容易に企業情報等にアクセスできる環境を整備し、証券市場の効率化、活性化及び市場メカニズムの一層の発揮を図るため
できる限り
早急に
大型入札案件の電子入札案件開示及び意見招請のWEB化 大型入札案件の技術情報等の資料を電子化し、落札後公開資料とする。→入札の公平化推進。
できる限り
早急に
社会保険などを手始めとしたICカードの全国民への配布 ・個別の企業またはグループが、ばらばらにICカードを普及させようとしており、電子政府実現の障害になりかねない。
・官民をとわず、個人認証のベースが統一されれば、新たなビジネスが勃興するきっかけとなり得る。土木工事等の公共事業の何倍もの経済的波及効果が期待できる。
できる限り
早急に
電子商取引を行なえる暗号鍵、住民基本台帳、健康保険証、郵便貯金等の情報を格納できるICカードを公務員、希望住民等に交付し、自治体、公的機関等で利用できるようにする 公的機関の交付するICカードがばらばら、複数仕様にならないようにする。
できる限り
早急に
道路占有許可および使用許可の一括オンライン申請化 国道・県道・市町村道は、占有許可の申請窓口が異なり、使用にあたっては、警察署への申請も必要。実際の道路工事が、国道・県道・市町村道に跨ることも多く、一括オンライン申請の実現は、関連事務効率化に大きく貢献する。
できる限り
早急に
公有地使用・占有許可申請・届出のオンライン化(提出フォーマット、提出先の統一) 許可申請・届出処理の迅速化・簡素化
ただし、現在は各中央省庁、各地方公共団体ごとに分かれている提出フォーマットの統一と提出先の一元化が行われなければ、産業界側の効果は少ない。
できる限り
早急に
廃棄物管理票の報告提出の一括オンライン化と届出先保健所のホームページでの公開 現在都道府県知事(政令指定都市の場合は市長)宛てに管轄保健所を通じて提出しているが、リース物件がある事業所毎に出さなければならず極めて煩雑で効率が悪い。
できる限り
早急に
環境関係の申請、届出(大気汚染防止法、水質汚濁防止法、海洋汚染災害防止法、工場立地法、廃棄物法等)のオンライン化 関連手続きの効率化・簡素化
できる限り
早急に
歳出・歳入手続きの電子化、オンライン化 抜本的なペーパーレス化、オンライン化により、国民、金融機関、日銀、官庁の各段階の事務の効率化・省人化が実現できる。また、インターネット・バンキング等の利用により、国民の利便性が向上する。
できる限り
早急に
国家科学技術プロジェクト・マネジメントシステムの導入 左記システムにより、(1)省庁横断的な科学技術プロジェクト公募方式の統一、(2)諸経費の支払い等のオンライン化、(3)各プロジェクトの成果の共有を図ることで、国家科学技術プロジェクトの効率的な実施が可能となる。
できる限り
早急に
申請・届出・情報公開請求などの行政手数料のオンライン納付化 申請などの行政手続の電子化を進める上で、手数料のオンライン納付化は必要な前提条件である。
できる限り
早急に
輸出入申告提出書類の署名捺印、書面提出義務の廃止、オンライン化 輸出入申告に係る手続きの効率化・簡素化
できる限り
早急に
財産形成非課税貯蓄申告関連書類のオンライン化 財産形成非課税貯蓄申告に係る手続きの効率化・簡素化
できる限り
早急に
厚生年金保険、健康保険における資格得喪(住所変更等)に関連する書類のオンライン化 厚生年金保険、健康保険関連手続きの効率化・簡素化
できる限り
早急に
レセプト、カルテ、保険証の電子化 医療、介護、保健関連手続きの効率化・簡素化
できる限り
早急に
公図、登記簿等の検索のオンライン化 検索者側の調査・確認作業の効率化・簡素化
できる限り
早急に
発電所などにおける環境データ等提出の電子化
(様式、頻度、提出先の統一)
環境庁、各地方公共団体等への資料提出業務の効率化・簡素化。ただし、様式・頻度等が統一されなければ、提出側企業の効率化、および各公共団体間での情報共有の推進にはつながらない。
できる限り
早急に
合併関係の提出書類のオンライン化(業法、独禁法等) 事務作業の効率化・簡素化
できる限り
早急に
自動車保有関係手続きのワンストップ・サービス化 自動車を購入した場合の登録、税、交通関係等の手続きを効率化・簡素化する
できる限り
早急に
輸出入、港湾諸手続きのワンストップサービス化 輸出入、港湾等の手続きを効率化・簡素化する
できる限り
早急に
建築確認関連手続きのワンストップサービス化 都市開発、建築確認等の手続きを効率化・簡素化する
できる限り
早急に
危機管理情報ネットワークの整備 官邸、各省庁、地方公共団体、警察、消防署等が参加して災害等の際の情報の迅速な共有、連携した行動等を可能とする
できる限り
早急に
電子基準点の拡充、高機能化 電子基準点を全国に拡大するとともにリアルタイムデータ送信が可能となるような出力基盤を整備する。機器等の更新を適切に行なう。これにより、ITS、各種ナビゲーションサービスの拡充、デジタル地図の充実等が図られる。
できる限り
早急に
ITS、GIS 行政、医療・福祉、環境、交通等に関わる社会システムの高度情報化を推進し、行政の効率化、国民の利便性の向上を図る。また、新事業・新産業の創出をはかることで雇用促進を図る。
できる限り
早急に
国際電子政府、とくにアジア諸国との間の電子政府化(公文書交換、各種申請等) 経済関係のとくに深いアジア諸国との間で電子的に公的手続きができるようにする。
できる限り
早急に
許認可事項の抜本的改廃
経済的規制は2001年から段階的に実施、2003年度大筋完了
・電子政府化を云々する前に、許認可事項の抜本的見直しを行うべきであり、現状を前提とした手続きの電子化を図っても、徒に煩雑な問題を惹起するだけ。
・政府は、ルール作りと遵守状況の監視、違反者への徹底的な責任追及に徹すべき。
・裁量的な事前規制をやめ、結果責任を原則としなければ新しいビジネスには対応不能。
できる限り
早急に
行政業務効率化は直ぐに実行スケジュールの具体的策定)。各種行政申請・届出手続きのオンライン化 行政業務の効率化によるコスト負担低減(税、手数料等)が期待できる。
できる限り
早急に
当局向け報告の電子化 指定用紙へのタイピング、記名捺印、訂正などの事務不可はかなり大きい。
できる限り
早急に
全市町村が参加する総合行政ネットワークの構築と霞ヶ関WANとの本格接続 国・地方公共団体の行政事務処理の効率化・迅速化等が期待できる。
できる限り
早急に
個人情報の保護(インターネット上でのプライバシー保護)の徹底 電子的にやり取りされる個人データに関し、上記のような適切な機密保持が図られるのと同様に、プライバシー保護を徹底し、例えばクッキーと称される情報ファイルを利用した個人情報収集に際して、その意味する処を事前にユーザー側に告知させる等の手段を講じる必要があると考える。
できる限り
早急に
セキュリティの確保 セキュリティ面で不安が残れば、行政手続がオンライン化されても、活用されない恐れがある。取引責任の明確化とセキュリティ面での対応の詳細を明らかにすべき。
できる限り
早急に
改竄、なりすまし等を防止し、かつ機密保持を徹底した通信データ保護の為の枠組みの構築 電子政府を実現するための前提条件として、改竄、なりすまし等が発生せず、かつ通信終了後のデータについても第三者に漏洩しない形での保管を行う強固な法的・技術的枠組みを構築する必要がある。こうしたシステムを構築せぬまま(即ち法的・技術的に不十分・未知な部分を残したままで)電子化のみを先行させた場合、国民に対して不測の損害を与え、以って電子的システムの国民レベルでの浸透に多大な悪影響を与えかねない。
2000年度中 電子政府3法として以下の制定
(1)行政サービス電子化法(2005年度迄に、中央省庁が提供するサービス100%電子化)
(2)電子情報公開法(ITを用いた情報公開請求と公開実施)
(3)行政評価法
法律で電子政府の目標とその実現を義務付けて強力に推進する必要あり。
2000年度中 (1)「IT戦略本部」内に電子政府推進専任の本部設置
(2)専任大臣の任命
(3)各省庁CIOの任命
責任の所在の明確化、政治的リーダーシップによる省庁の壁を越えた推進体制の整備が必要。
2001年度 官民共同の「情報セキュリティ総合計画」の立案と展開
(国立情報セキュリティ研の設立など)
電子政府実現には、情報セキュリティ確保が不可欠。その達成には、政府部門だけでなく、又省庁を越えて、官民協力した全面的な取り組みが必要。
2001年度 国税の申告、納税手続き等のオンライン化 世界の趨勢からみて日本は遅れておりもっと前倒し実施すべきである。
例)シンガポール2001年
2001年度 税法等法令による保存文書の電子データによる保管の容認 ・請求書・領収書の類を証憑として台紙に張り付けてファイルに保存させるような馬鹿な話では、電子商取引の意味がない。
・電子データをわざわざ紙に印刷して保存させる愚は早急に廃止すべし。
2001年度 有価証券報告書等の提出・縦覧手続きのオンライン化(2003年度までに一部の開示書類について運用開始) 米国に比べ遅れており、日本市場が魅力に欠け海外企業の参入障壁とみられる。
又紙による資料提出は企業の負担発生により競争力も低下する。
2001年度 登録等証券業務、金融先物取引業務関連諸届の電子化 金融庁、東証、日証協、東京金融先物取引所、金融先物取引業協会宛てに別個に提出している同一趣旨の報告類の共通化と一斉電子化が必要。これにより事務手続が省力化される。
2001年度 地域医療・介護圏情報ネットワークの構築 地域医療介護圏で、地域住民が、事業を行っているすべてのヘルスケア事業者に関する入手でき、また、自分の医療介護情報を、自ら、治療、介護、予防医療、健康管理、リハビリ等に活用できるようなネットワークを早期に構築する必要がある。やる気のある自治体から進めるのが良い。
2001年度 地域における通信型介護(テレケア)サービスの実現 地域において、高齢者、要介護者等の自宅に置き、簡単な操作で利用できるテレビ電話等の端末と健康測定機を置き、居宅介護サービス事業者等が健康情報のみならず、利用者の不安、不満、要望、意向を的確に把握し、それを基に適切な介護サービスを提供する仕組みをつくる。それを通じて、利用者の満足度、安心感が向上する。やる気のある自治体から進めるのが良い。
2001年度 電子政府アプリケーション基盤の構築 電子政府の公的サービスの提供に際し、政府内、あるいは政府と自治体、個人それぞれとの間において様々なデータのやり取りが行われる。この時のデータの形式や、データの提供手順、その際に用いられるセキュアな通信方法の策定など、公的サービスを実現するアプリケーション構築が必要とされる。
2001年度 電子申請・申告、ワンストップサービスにかかる手数料の低減と後払い等支払方法多様化の実現 印紙に頼っていた手数料の支払方法は、電子政府実現の際の共通課題としてあげられているが、従来どおりの前払いに固執していれば、手数料を必要とするものは、その実現(各銀行と日銀とのNW)を待たねばならず早期の実現は事実上困難である。法的整備も含め、早急な改革を要する。
2001年度 各種法令・規則・ガイドラインなどのインターネット経由での提供 市販の六法などは、頻繁な改正に追いつかない。データで提供されれば、検索が可能となり利用価値が高まる。
2001年度 橋梁、道路等の強度、寿命等についての情報のインターネットでの提供 事務の簡素・合理化、迅速化に役立つ。
2002年度 インターネット技術を活用した電子入札・開札の実施(国、地方自治体ともに) ・情報公開の公平性および競争原理によるコスト削減、IT活用推進による企業競争力向上、新規ビジネスチャンスの創出、企業間ビジネスの活性化が期待される。
・米国・シンガポールでは実施済みであり、英国でも2002年には全省庁実施予定であり、日本も英国並みに前倒しすべきである。企業側の多くは電子化できており官側の整備が急務である。
2002年度 固定資産税の納付書の様式統一と電子化 現状、書面準備に多大の時間を要している。
2002年度 印鑑証明に換わる個人認証基盤の早期実現 電子政府の行政サービスを享受し、ネットワークを活用すべき主体は企業とともに個人であり厳格な個人認証基盤なくして高度情報通信社会の実現は望めないと考えられる。印鑑証明に換わるものとして、地方自治体が基盤を整備するか、厳格な法的審査のもとに民間認証局にその業務を委託すべき。
2003年度 地方公共団体における電子政府化の推進 行政手続きの多くは、地方公共団体がかかわるものが多いが、総合行政ネットワークへの参画も含め、もっとも懸念されるのが地方自治体間のディジタルデバイドである。複数地方公共団体でのシステム共有も視野にいれて、住民サービス向上のための地方公共団体への情報化支援策を講ずる。
2003年度 通産省全所管法令における申請・手続きのオンライン化の実現 企業からの申請がほとんどであり、本件実現は、製造業を中心とする多くの業種にコスト削減をもたらし、ひいては国民コストの削減となる。また、各企業にとって効率化のきっかけとなりうる。
実現方法としては、企業側申請システムの共通化を図り、操作性の統一、社内システムとの連携容易化のための標準技術の導入を希望する。
2003年度 郵政省所管の電気通信関係行政分野における申請・手続きのオンライン化 企業申請が大半であるが、中小企業を含む多くの企業、個人にとって効率化・国民コストの削減になる。
2003年度 原子力安全規制等の諸手続きのオンライン化 国民の「安全」に対する関心は特に高く、オンライン化による手続きの迅速化と共に信頼性の向上が期待される。
2003年度 特許出願手続きの電子化 ビジネスモデル特許の普及により、今後益々特許出願が増えることが予想され、出願に関わる手続きのより一層の質およびスピード向上が望まれるため。
2003年度 国民年金保険料納付手段の電子化 国民年金保険料は、(1)国民に身近であり、(2)件数も非常に多い(年間約1億5千万件、歳入入金等総件数の約3分の2)ため、納付手段の電子化(インターネット・バンキングや携帯電話を利用した納付など)が特に望まれる。
2003年度 交通反則金徴収の電子化 交通反則金は、現在、各都道府県警別に書式が微妙に異なり、且つ、手作業で処理されるため、警察関係機関、民間金融機関でかなりの事務負担となっている。電子化によって、効率化が可能になる。
2003年度以降 地域電子政府センターの設立 各省庁縦割り制度を地域センターで集約し、地域電子政府センターにてすべての手続及び情報公開を可能とする。

以 上

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