[経団連] [意見書] [ 目次 ]

経済・財政等のグランドデザイン策定と当面の財政運営について

図表第5:構造改革の選択肢(マクロモデルを用いた試算)


改革の姿
(いずれも2002年度からの実施を想定)
経済成長率
(2000〜2025年度)
中央・地方財政社会保障基金国民負担率
(2025年)
〔ケース(1)〕歳出見直しを行わず、負担増により対応
○ 国・地方の歳出
歳出(社会保障公費負担分を除く)の伸びは名目成長率
程度

○ 消費税率5%→25.5%に引き上げ

○ 社会保障
  • 基礎年金給付は賃金スライド実施。報酬比例部分の給付
    水準は既定路線を維持(約5%抑制)
  • 基礎年金国庫負担割合は2分の1に引き上げ
  • 厚生年金保険料率は段階的に34.5%まで引き上げ
  • 1人あたり医療費は前年比名目4%増
  • 高齢者医療は2分の1公費負担、自己負担1割
  • 医療保険負担は、現行制度を前提とした負担額の1.4倍
実質 1.7%
名目 3.5%
○ 財政収支
  2025年度に黒字化

○ 債務残高対GDP比
  2025年度に約58%
○ 年金積立金
  239兆円
  (2025年度)

○ 医療
  ほぼ収支均衡
71.8%

〔内訳〕
 租税負担率
  46.0%
 社会保障負担率
  25.7%
〔ケース(2)〕国・地方の歳出のみ抑制
○ 国・地方の歳出
  • 公共事業は2011年度まで前年比名目3%減、2012年度
    以降前年比実質横ばい
  • 非公共事業(社会保障公費負担分を除く)は、2011年度まで
    前年比名目横ばい、2012年度以降は前年比実質横ばい

○ 消費税率5%→14.5%に引き上げ

○ 社会保障
  • 厚生年金保険料率を段階的に33.5%まで引き上げ
  • 医療保険負担は、現行制度を前提とした負担額の1.3倍
  • その他はケース(1)と同様
実質 1.8%
名目 3.5%
○ 財政収支
  2023年度に黒字化

○ 債務残高対GDP比
  2025年度に約72%
○ 年金積立金
  211兆円
  (2025年度)

○ 医療
  ほぼ収支均衡
59.8%

〔内訳〕
 租税負担率
  35.3%
 社会保障負担率
  24.5%
〔ケース(3)〕社会保障も含めた歳出全般を見直し
○ 歳出抑制(ケース(2)と同様)

○ 消費税率5%→10%に引き上げ

○ 社会保障
  • 基礎年金給付は物価スライドのみ。報酬比例部分の給付は
    引き下げ(過去分24%、将来分40%をそれぞれ減額)
  • 基礎年金国庫負担割合は2分の1に引き上げ
  • 厚生年金保険料率は19.5%に引き上げ
  • 1人あたり医療費は前年比名目3%増に抑制
  • 高齢者医療は2分の1公費負担、自己負担は2割に引き上げ
  • 医療保険負担は、現行制度を前提とした負担額の0.85倍
実質 2.4%
名目 4.2%
○ 財政収支
  2024年度に黒字化

○ 債務残高対GDP比
  2025年度に約76%
○ 年金積立金
  210兆円
  (2025年度)

○ 医療
  ほぼ収支均衡
46.5%

〔内訳〕
 租税負担率
  31.5%
 社会保障負担率
  15.0%
〔ケース(4)〕社会保障における公費負担割合引き上げ
○ 歳出抑制(ケース(2)と同様)

○ 消費税率5%→15.8%に引き上げ

○ 社会保障
  • 基礎年金は全額国庫負担、高齢者医療・介護費用
    (自己負担分を除く)は全額公費負担
  • 厚生年金保険料率は14.5%に引き下げ
  • 医療保険負担は、現行制度を前提とした負担額の0.63倍
  • その他はケース(3)と同様
実質 2.7%
名目 4.8%
○ 財政収支
  2024年度に黒字化

○ 債務残高対GDP比
  2025年度に約76%
○ 年金積立金
  209兆円
  (2025年度)

○ 医療
  ほぼ収支均衡
46.3%

〔内訳〕
 租税負担率
  36.3%
 社会保障負担率
  10.0%
〔ケース(5)〕早期に財政再建
○ 歳出抑制(ケース(2)と同様)

○ 消費税率5%→17.5%に引き上げ

○ 社会保障
  • 厚生年金保険料率を段階的に33.5%まで引き上げ
  • 医療保険負担は、現行制度を前提とした負担額と同水準
  • その他はケース(3)と同様
実質 1.9%
名目 3.6%
○ 財政収支
  2012年度に黒字化

○ 債務残高対GDP比
  2025年度に約9%
○ 年金積立金
  807兆円
  (2025年度)

○ 医療
  ほぼ収支均衡
61.3%

〔内訳〕
 租税負担率
  37.2%
 社会保障負担率
  24.1%

※消費税率引き上げにあたっては、「益税」の排除を進めるとともに、内税化を含めた制度整備を行う必要がある。


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