少子高齢化の急速な進展により、国民の多様なニーズに対応した医療・介護サービスの効率的な提供を求める声が高まっている。また、現状では、医療・介護のサービス提供機関同士の連携、情報共有が不十分であり、個人が継続的ケアを享受できるようにすること、ならびに持続可能な医療・介護制度の確立が喫緊の課題となっている。さらに、一般国民が入手できる医療・介護関連情報が限定されていることから、自らに最適なサービスを提供できる医療・介護機関の選択が困難などの問題がある。
国民の満足度を高め、さらに医療・介護サービスの効率的な提供を図るためには、ITをより一層活用することが求められる。例えば、個人が、ネットワークを通じて、地域の医療・介護機関関連情報(各機関の施設・スタッフ・サービスの内容、信頼できる第三者機関が提供する医療機関、医師、介護サービス事業者の評価情報等)を手軽に入手可能とすべきである。また、健康保険の被保険者証の機能を行政ICカードに持たせ、診察記録や薬歴を記憶させ、本人が複数の医療・介護機関で使用できるようになれば、個人情報の保護に配慮した形で、重複検査などを排除したより効率的なサービスが提供される。また、レセプトのデジタル化は、医療機関と健保組合等との間の直接決済を可能にし、関連業務を大きく効率化する。
このようなITの活用に向けては、