[経団連] [意見書] [ 目次 ]
総務省「情報通信新時代のビジネスモデルと競争環境整備の在り方に関する研究会」提出資料

総務省「ビジネスモデル研究会」からの質問への回答



2001年9月21日
経団連情報通信ワーキンググループ

【8月29日開催の研究会(第2回)における主張のポイント】

 利用者利益の最大化のためには、事業者を事前に規制するのではなく、自由かつ公正な競争を促進することが不可欠である(原則自由。公正な競争を機能させるために必要な場合に限って規制)。
 その理念を実行に移すためには、「事業(者)規制法」とも言うべき現行法を「競争促進法」に衣替えする必要がある。
 そのための第1ステップとして、一種・二種という設備保有の有無に着目した事業区分とそれに基づく事前規制の体系を撤廃する必要がある。

Q1:  事前規制から事後規制への移行という基本的考え方に立って、事業区分に基づく事前規制の廃止(結果として、一種事業の参入許可の届出化)を主張されているが、消費者保護の観点から設けられている退出許可についても届出化することが適当との考えか。
A:  電気通信事業が独占もしくは事業者の数が極めて限られていた場合と異なり、現在は、第一種電気通信事業者だけでも350社を上回る状況にある。その中で、事業者が事業の一部を休止または廃止したとしても、他の事業者がとって代わり得ると考えられる。したがって、退出規制を緩和し、事業者の自己責任に委ねたとしても、大きな社会的混乱、経済的損失を招くことはないと考える。

Q2:  参入許可を届出化すると、事後的な業務改善命令や料金変更命令で対応することが重要となるが、こうした命令が頻繁に行なわれることにより、ユーザー側に混乱が生じることはないか。
A:  参入許可などの事前規制により、事業者の事業運営の適正性を図ることで利用者の利益を確保しようとするよりも、利用者の利益や市場での公正な競争を阻害する事態が実際に生じた場合に柔軟に対応できるよう、事後チェックの仕組みを充実した方が利用者の利益に資すると考える。
 そもそも競争環境が整備されていれば、利用者は自らのニーズに合ったサービスやそれを提供する事業者を選択することが可能であり、事後チェックにより改善を図らなければならない事態は限定されるはずである。
 そのような競争環境の整備と事後チェックにこそ、行政の役割を見出すことができる。

Q3:  EUではハード(卸事業)・ソフト(小売事業)の分離を導入することを検討しているようであるが、こうした考え方も「設備に着目した」規制を指向していると思うが、どうか。
A:  当方は、電気通信回線設備を自ら設置しているか否かで事業者を区分すること、およびその区分に基づく事前規制の体系の撤廃を求めているのであり、このこと自体はハード・ソフトの分離、あるいは卸・小売の分離とは直接関係がないと考える。
 なお、EUで検討されている枠組みは、事業者の区分を目的とするものではなく、特定の設備に拘束されずに伝送サービスの提供が可能になっている現状に対応した提案であると理解しており、わが国電気通信事業法における一種・二種の事業区分とは異なる制度であると考える。

Q4:  設備に着目した事前規制を廃止するのであれば、公益事業特権や周波数割当等、事業の公益性に基づいた一種事業者に対する優遇措置を付与するための根拠も失われることとなるが、この場合、公益事業特権の付与や周波数割当のあり方について、どのような代替策が考えられるか。
A:  現在のように、設備を設置するから権利を与えるという考え方ではなく、通信サービスを提供するにあたって一定の義務を負うことの見返りとして、周辺諸権利との調整に必要な権利を与えるという考えにたつべきである。

Q5:  接続ルールや支配的事業者規制はボトルネック設備を保有している一種事業者を対象とした規制であるが、設備に着目した規制をしないとすると、これらの競争ルールはどのように扱うことが適当と考えるか。
A:  8月29日の研究会で配布した資料の5ページにあるように、当方は、一種・二種という電気通信回線設備の保有の有無に着目した事業区分とそれに基づく事前規制の体系の撤廃を主張しているのであって、接続ルールや支配的事業者規制については、競争を促進する観点から必要な措置であると考える。
以 上

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