[ 日本経団連 ] [ 意見書 ]

平成15年度新規学卒者採用・選考に際して
特に配慮いただきたい事項についての要望

2002年10月15日
(社)日本経済団体連合会
会長 奥田 碩

平成15年度の大学等新規学卒者の採用・選考にあたり、企業の行動規範を示す「倫理憲章」を定めた。各企業におかれては、大学側の指摘や要請に応え、秩序ある就職・採用を実現するためにも、倫理憲章の趣旨に則って下記事項を踏まえた採用選考活動を進めていくことを期待する。

  1. 採用・選考は、本来、各企業の自由な意志と発想に基づき実施されるべきものであるが、そこには勿論、社会的・道義的な責任が伴う。特に卒業学年に達しない学生に対して実質的な選考活動をすることや、学生、大学等関係者の反発を招くような行為は企業として厳に慎まなければならない。

  2. 情報を速やかに公開することと採用活動を早期化させることは、全く意味が異なる。「企業情報の速やかな公開」は、就職活動に先立って業界や企業の研究を行う学生に必要な情報を十分に提供するという意図によるものである。また「採用・選考に関する情報の速やかな開示」は、学生たちの不安やあせりの気持ちを沈静化させることにつながる。当然ながら、公表した内容を誠実に守ることは企業の責務である。

  3. 大学側の要望である「正常な学校教育と学習環境の確保」に応えるためには、採用選考活動の早期開始を自粛するとともに企業説明会や採用選考を土日、祝日、あるいは平日の夕刻に設定したり、日程を分散の上、応募する学生が希望日を選択できるといった工夫と実践が必要である。

  4. 如何なる理由づけをしようと、身柄を拘束したり、他社の内定を強制して断らせるなど、学生の自由な就職活動を妨害する「公平公正な採用」の精神にもとる行為は断固排除されなければならない。

以 上

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