[ 日本経団連 ] [ 意見書 ]

改正独禁法の施行に伴い制定・改正される公取委規則(案)、
ガイドライン(案)に関するコメント

− 公正取引委員会「改正独占禁止法の施行に伴い制定・改正する公正取引委員会規則
及びガイドラインの原案」に関する意見募集へのコメント −
2002年10月17日
(社)日本経済団体連合会
経済法規委員会 競争法部会

日本経団連では、かねてより、競争に対する個別具体的な弊害の有無を問うことなく一律・外形的に規制を課す一般集中規制に対し、企業活動を不当に制限するだけで既に存在意義を失っているとして、反対してきた。こうした観点から、今回の独禁法改正において、一般集中規制の是非にまで踏み込んだ改正がなされなかったことは遺憾であり、早期の見直しを求めたい。
したがって、第9条等の存続を前提とする規則(案)、ガイドライン(案)は、基本的に問題があると考えるが、今般、パブリック・コメントに付されたことに鑑み、以下の通りコメントを提出する。

1.「事業支配力が過度に集中することとなる会社の考え方」(原案)について

  1. 現行独禁法第9条の2第1項で認められていた例外的な株式保有については、今回の改正による規制の強化を避ける観点から、適用除外とするべきである。
  2. 「主要な事業分野」については、原則として、日本産業分類2桁分類によるものとすべきである。
  3. 第1類型の総資産基準(15兆円)を大幅に引上げるべきである。
  4. 第3類型の「会社の有力性の程度」についての考慮要因の追加(「注」の追加)に関し、「勘案」する内容を明確化すべきである。

2.「独占禁止法第11条の規定による銀行又は保険会社の議決権の保有等の認可についての考え方」(原案)について

第1-1.-(1) の「認可を申請する銀行又は保険会社により総株主の議決権の5%超の議決権を等されることとなる他の国内の会社の業績が不振であり、申請会社が株式発行会社の議決権の5%超の議決権を保有等することが、株式発行会社の信用を維持するために必要であると認められる場合(株式発行会社が清算中又は清算予定である場合を含む)」の認可について、株式発行会社の存続に関わることから、慎重かつ徹底した情報管理の下に行うべきである。

3.「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可及び承認の申請、報告並びに届出等に関する規則の一部を改正する規則」(原案)について

一律の定期定型の報告等はできる限り削減すべきであり、存続するものについても、企業および公正取引員会双方の費用対効果の観点から記載事項は必要最小限度とし、有価証券報告書等既存の書類を添付することで足りる場合には、当該添付をもって報告書への記載を不要とすべきである。

なお、法律事項となるが、改正独禁法第9条第5項に基づく報告の報告基準について、金融会社以外の会社についても、金融会社同様、8兆円超の総資産を保有する場合にのみ報告書の提出義務が課されるものとすべきである。

以 上

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