合計 | 男性 | 女性 | |
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従業員数 | 15,757名 | 14,063名 | 1,694名 |
平均年齢 | 43.1歳 | 43.6歳 | 38.7歳 |
平均勤続 | 22.3年 | 22.8年 | 18.5年 |
旭化成では、仕事と家庭の両立支援は、「従業員が業務を継続するために必要なサポート」と考えている。従業員の従事する職務内容が、製造・営業・事務・研究とさまざまであり、また工場地区・本社地区と事業所も各地に展開されていることから、それぞれの職務の特性や、従業員個々人の価値観や働き方に対応できるよう、サポートの内容を多様化し、運用にも柔軟性を持たせている。
また利用しやすいよう、情報提供のしくみをつくっている。
仕事と家庭の両立支援の代表的な制度である育児休業制度が同社で制度化されたのは、1970年代である。当初は女性社員のみを対象とし、また休業期間については子どもが1歳になるまで、という制度であった。
1992年の育児休業法の制定時に、同社では育児休業制度を (1)休業開始時期選択幅の拡大、(2)対象範囲の男性社員への拡大の2点について改定し、更に育児短時間勤務制度も導入した。
その後1999年、2003年と継続して見直しを行ない、現在では、育児休業は期間を子どもの満3歳到達後4月1日までに延長し、また育児短時間勤務を含む育児のための援助措置の取得対象期間を、小学校入学式の前日までに延長した。また利用しやすさを考え、短時間勤務制度について、いったん終了し、再び年数が経過したあとでも、取得対象期間内であれば再取得可能とした。さらに、短時間勤務制度については、育児時間やフレックスタイム等も併用可能とするとともに、家族看護休暇制度を設けるなど、選択肢の拡大に努めている。
以上のように、それぞれのおかれた職務・家庭の状況や、職住接近地区(工場地区等)、通勤時間の長い地区、車通勤可能な地区といった地域の状況を考慮しつつ、本人が主体的に選択できるよう、努めている。現在では、子どもを持つ女性は在籍女性全体の約4割となり、育児休業制度の利用者は、年間のべ約100人となっている。
制度名 | 制度の概要 | 運用状況 |
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【母性保護施策】 | ||
産前産後休暇 | 産前42日、産後56日、ほかに前後どちらかに自分の選択で14日を追加できる | |
その他、つわり休暇、通院時間への配慮等、各母性保護施策を実施。 | ||
【両立支援施策】 | ||
育児休業 | 満3歳到達後の4月1日まで | 在籍女性の25%が利用経験あり |
育児のための援助措置 | 小学校入学式の前日まで取得可能 | |
・育児短時間勤務 | ||
・深夜業制限、時間外休日労働制限 ・フレックスタイム、など | 育児短時間勤務制度と他の育児のための援助措置の併用可 | |
育児時間 | 満1歳の誕生日後の月末まで 0.5h単位で1hまで取得できる。 育児短時間・フレックスとの併用可能。 | 育児短時間・フレックスとの併用で、さらに時間に幅をもたせることができる。コアタイムに利用も可。 |
サポート休暇 | ・ 年休の積み立て保存制度 ・ 親族の傷病看護、社会貢献活動に使用。上限は30日 | |
家族看護休暇 | 家族の看護、通院等。年5日。有給。 | |
配偶者出産休暇 | 生まれた日から2週間以内で5日。有給。 | |
ベビーシッター・ヘルパー補助 | 福祉共済会が運営。理由は問わず、申請により半額が年間補助される。 上限100日分(75万円) | ベビーシッター会社への法人会員登録も実施 |
そのほか介護についても、休業および短時間勤務制度、勤務時間等への配慮等を実施。男性の取得実績あり |
このように従業員が選択可能な様々な両立支援制度を用意することで、多様化する女性従業員の価値観(就労観)に対応できるようになり、仕事を続けたいと考える人材が、勤務を継続することが可能になってきている。このことは、勤続年数の伸びや退職率の低下に現れている。
今後、こういった施策をより定着させるためには、個々人が、家庭および職場の状況も踏まえ、どういった働き方が可能かを、家族や上司とよく意見交換をし、施策を上手に利用していくことが大切であると、同社では考えている。そのため、現在労使で実施しているさまざまな情報提供をさらに強化すべく、あらたに両立支援施策と母性保護施策専門の問い合わせ窓口を設けた。
あわせて、今後は、業務設計やマネジメント、職場でのコミュニケーション等に関するサポートをより充実させていく予定である。