[ 日本経団連 ] [ 意見書 ] [ 本文 ]

輸出入・港湾諸手続の効率化に関する提言

用語集


  1. BPR (Business Process Re-engineering)
    業務内容や業務の流れ、組織構造を分析、最適化すること。

  2. FAL条約 (Convention on Facilitation of International Maritime Traffic)
    国連の機関である国際海事機構(IMO:International Maritime Organization http://www.imo.org/)のもと、50余りある協定の一つ。国ごと、当局ごとに異なる情報を異なるフォーマットで要求されることで海上輸送が複雑化する傾向にあることに対する懸念から、手続の簡易化を統一的に推進していくため、1965年採択。2003年2月現在の批准国は94カ国、1行政区。ほとんどの欧州諸国と米国をはじめ、アジア諸国でも次々に批准されていが、日本は批准していない(米国、シンガポール1967年,中国1995年,香港1997年,韓国2001年)。本文16条と附則(Standard【標準】とRecommended Practice【推奨項目】)からなっており、必ずしも全ての項目の承認が批准の前提ではなく、留保も可能である(韓国は18項目に留保を付しており、IMOが留保理由を審議中)。

  3. WCO (World Customs Organization http://www.wcoomd.org/)
    各国の関税制度の調和・統一を推進し、国際貿易の発展に貢献することを目的として1952年に設立された国際機関であり、活動上の名称としてWCOを使用。現在162カ国・地域が参加。関税や税関手続に関する諸条約の作成、見直しを行い、統一見解を示す。また、貿易円滑化や安全対策などに関する様々な国際ガイドラインを作成している。条約上の正式名称は関税協力理事会CCC(Customs Cooperation Council)。

  4. UN/EDIFACT
    UN/EDIFACTは、行政、商業および運輸に関する電子データ交換のための国連規則集であり、構造化されたデータの、特に商業やサービスの取引に関する独立したコンピュータ(アプリケーション) 間における電子交換のための国際的に合意された規格、ディレクトリおよび指針。

  5. ebXML
    全世界的なB2B電子商取引を可能とするための、スキーマ(データベースの構造)、ボキャブラリなどの世界唯一の標準を提供することを目的としたビジネスプロトコール。

  6. ICタグ
    物体の識別に利用される微小な無線ICチップ。自身の識別コードなどの情報が記録されており、電波を使って管理システムと情報を送受信する能力をもつ。産業界においてバーコードに代わる商品識別・管理技術として研究が進められてきたが、それに留まらず社会のIT化・自動化を推進する上での基盤技術として注目が高まっている。

  7. 情報共有化法
    韓国では、1991年12月制定の「貿易業務自動化推進に関する法律」によるBPRの明文化、1998年に行われた「港湾物流BPR調査」、および2001年7月施行した「電子政府具現のための行政業務等の電子化促進に関する法律」の第11条において、「行政情報共同利用の原則」を明文化することによって、手続の飛躍的な削減に成功した。

  8. C−TPAT (Customs-Trade Partnership Against Terrorism)
    個別企業が、米国税関と覚書を交わし、コンプライアンス・プログラムを作成・実行する、米国当局が推奨するボランタリープログラム。輸入者・船社・通関業者・倉庫管理者・製造業者が対象。参加者には、迅速通関・低検査率等のメリットがあるとされていたが、現在までのところ、実質的メリットは付与されていない。

  9. ACE (Automated Commercial Environment)
    米国の現行通関関連手続に代わる次世代手続システム。2006年末以降本格稼動予定であり、開発予算総額は15億ドル(予定)に上る。企業毎に一つのアカウントに纏められ、関税納付、コンプライアンス状況等の情報が集約される。
    したがって、技術的には全関係者(関係省庁、企業等)が同画面にアクセス可能、但し、アクセス権限は厳重管理するとされている。

  10. NACCS (Nippon Automated Cargo Clearance System)
    NACCS(通関情報処理システム)とは、貨物の通関手続きを迅速かつ的確に処理するため、1991年10月に稼動開始した官民共同利用の電算処理システムであり、独立行政法人である通関情報処理センターにより運営されている。海上貨物に係る輸出入通関申告の9割以上が本システムを利用しており、税関手続に密接に関連する民間業務も処理対象としている。

  11. 港湾EDI (Electronic Data Interchange)
    港湾EDIとは、港湾管理者、港長に係る申請・届出等の行政手続きの電子情報処理化を推進するため、国土交通省・海上保安庁が港湾管理者と協力して開発した情報通信システム。

  12. CuPES (Customs Procedure Entry System)
    CuPES(税関手続申請システム)とは、電子化に馴染まない旅客の携帯品等の輸出入申告およびNACCS業務以外の原則全ての税関関連の申請・届出等を処理するシステム。2003年3月より稼動を開始した。

  13. 米国24時間前マニフェスト事前提出ルール
    2003年2月より外国港において、対米輸出貨物を積み込む24時間前迄に、貨物情報を米国税関に事前申告することを義務付ける制度。米国外の荷主、運送人に対する規則で、14項目に及ぶ詳細な貨物情報を申告する必要がある。

  14. オーソライズドトレーダーコンセプト (Authorized Trader Concept)
    WCOにおける改正京都規約で規定されている考え方で、税関が認定したコンプライアンスの高い優良な貿易関連業者には簡素化された税関手続を適用する制度運用概念。

  15. 電子貿易促進3か年計画
    2003年12月に韓国の関係部局が合同で策定した、2004年〜2006年までの電子貿易促進3か年計画。主な内容は次の通り。

    1. 全ての企業が、いつでもどこでもインターネットを活用して、全世界を対象に、最も経済的で効果的な方法で貿易を行なうことを目指す(輸出競争力の強化)。
    2. 既存の貿易制度・慣行や手続の根本的改善(BPRの実行)を図る。
    3. 東北アジアにおける、電子貿易のハブを目指す。
    4. これまで個々の機関が構築してきたシステムを、インターネットを活用して機能的・技術的に連携させる(物理的な単一システムの構築ではない)情報プラットフォームを構築させる。
    5. 紙の書類を前提としている貿易関連法規および制度の見直し、改正を進める。
    6. 国務総理を委員長、政府委員(関係閣僚12名)、民間委員(全経連会長等5名)から成る国家電子貿易委員会が施策を推進する。


日本語のトップページへ