[ 日本経団連 ] [ 意見書 ]

労働契約法制に対する使用者側の基本的考え方

2005年10月13日
(社)日本経済団体連合会
労働法規委員会労働法専門部会

1.あるべき労働契約法制について

労働契約法制は、(1)雇用の多様化などによる個別的労働紛争の増加を防止するべく、労働条件を労使に明確に示すようなものであること(労働条件の明確化)、(2)紛争が起きたときにどのように解決するかという解決基準のルールを定めたものであること、(3)以上のルールは労使自治を基本とすることから補充規定、任意規定であること、(4)中小零細企業を含めた日本の企業の多くが円滑に遵守できるようなものであること(複雑な手続規定等は設けないこと)が必要である。
以上のような一般民事法としての労働契約法制は、これを否定するものではない。

2.「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」報告について

9月15日、厚生労働省の「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」は報告をとりまとめた。
しかしながら、同報告は、雇用の入り口から出口に至るまで、すなわち採用、試用、配転等から退職、解雇に至るあらゆる場面において起こり得る問題を想定し、強行規定、指針を背景に企業を規制する内容となっており、容認できない。
もとより、同報告は学識経験者のひとつの意見であって、同報告の方向性にとらわれることなく、労働契約法制については、厚生労働省の労働政策審議会(労働条件分科会)において、今後労使で検討されるものと理解している。
日本経団連としては、かねてより主張している、解雇の金銭解決制度、ホワイトカラーエグゼンプションについて早期導入を要求するとともに、労働契約法制の内容が、強行規定や指針によって企業に規制や負担を課するものになることを阻止すべく求めていく。

以上

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