2009年1月15日 (社)日本経済団体連合会 日本労働組合総連合会 |
米国の金融危機に端を発した世界同時不況の中で、雇用失業情勢は一層深刻化することが懸念され、国民の間には雇用不安が広がっている。
しかし、雇用の安定は社会の安定の基盤である。先行き不透明感が強まる中で、実効性ある景気回復策と併せて、雇用の安定・雇用の創出策を速やかに講ずることが、我が国の喫緊の課題である。
日本経団連と連合は、このような認識を共有し、いまこそ労使が真摯に向き合い、雇用の安定と新たな雇用創出に向けた政策を展開すべきであることを確認した。そのため、今後、雇用にかかわる様々な問題について、必要に応じて協議や研究等を行っていく。
政府は、別紙のとおり、緊急対策として、雇用調整助成金の要件緩和など企業の雇用維持に対する支援や、失業者の雇用・住宅確保対策、雇用保険の適用拡大・給付改善、職業訓練の抜本拡充など、すべての労働者のための雇用のセーフティネットの整備を早急に行うべきである。
また、新たな雇用の創出も不可欠である。とくに、医療・介護・保育等の分野でのマンパワーの前倒し配置、環境・農業・教育分野での雇用創出、社会資本の復元・整備等、社会が必要としている分野における雇用創出策を、公的支出も拡大しつつ、早急に実施すべきである。
我が国は、これまでも大きな経済危機を労使の努力で乗り越えてきた経験がある。長期雇用システムが、人材の育成および労使関係の安定をはかり、企業・経済の成長・発展を支えてきたことを再認識し、労使は雇用の安定、景気回復に向けて最大限の努力を行う。
雇用情勢は、今後一層の深刻化が懸念される。企業の雇用維持努力への支援に加え、失業給付等の拡充を中心に、雇用のセーフティネットに万全を期すべきである。
わが国の将来的な経済成長と生産性向上につながる分野に対して、集中的に政府支出の大幅拡大を行うことを基本として、新たな需要や雇用の創出を積極的に行っていくことが不可欠である。とくに介護・保育、農業分野における雇用創出は、国民生活の安心や地域経済の活力維持にとって重要である。
港湾: | 京浜港、伊勢湾、阪神港等における広域連携の強化と外貿コンテナの整備 |
空港: | 国際観光立国の実現に向け羽田空港の思い切った国際化、成田空港も含めた首都圏空港の更なる容量拡大、都心と成田空港のアクセス改善 |
道路: | 首都圏三環状道路の早期整備、国際海上コンテナが輸送できない国道の緊急整備 |