2010年度日本経団連規制改革要望

2010年10月14日
(社)日本経済団体連合会

1.土地・住宅・都市再生・観光分野
2.運輸・流通分野
3.農業・食品分野
4.廃棄物・リサイクル、環境保全分野
5.危険物・保安・防災分野
6.エネルギー分野
7.情報・通信、放送分野
8.金融・保険・証券分野
9.雇用・労働分野
10.通商・国際協力分野
11.外国人材分野
12.その他

I.はじめに

わが国経済が極めて厳しい状況に直面している中、日本経団連では、2010年9月17日に発足した菅改造内閣に対して、「新内閣に望む」を提出し、「新成長戦略」の速やかな実行、税・財政・社会保障の一体改革をはじめとする当面の重要政策課題を示し、政府の全力を挙げた取り組みを求めた。

これらの中でも、規制・制度改革は、民間の創意工夫の発揮を通じたイノベーションの推進と自由で円滑な事業活動を支える基盤整備として、また、財源を使わない景気対策としても喫緊の課題として強力に取り組むべきである。

政府では、これまでも行政刷新会議規制・制度改革分科会での検討等を踏まえ、「規制・制度改革に係る対処方針について」(2010年6月18日閣議決定)等を取りまとめるとともに、「新成長戦略の実現に向けた3段構えの経済対策」(9月10日閣議決定)の具体策の1つとして「日本を元気にする規制改革100」を掲げ、既定の改革の実施時期の前倒しや需要・雇用創出効果の高い規制・制度改革事項等の推進を決定している。

こうした直近の政府の規制改革への取り組みは、政治の強力なリーダーシップによる改革の成果であり、経済界として高く評価している。

今後とも政府では、上記の既定の取り組み方針に加え、更なる改革の前倒しや内容の充実を図るとともに、経済活性化や国際競争力強化等に資する新たな改革事項に大胆に取り組むべきであり、今般提出する2010年度日本経団連規制改革要望を含め民間から寄せられた要望等も踏まえつつ、政府一丸となってスピード感を持って規制改革を推進することを強く期待する。

II.個別要望項目一覧

1.土地・住宅・都市再生・観光分野 (PDF形式、28ページ)

  1. (1) 建築確認申請・審査手続の迅速化
  2. (2) 構造計算適合性判定の対象範囲の緩和
  3. (3) 建築物等に係る大臣認定制度の見直し
  4. (4) 建築確認における軽微な変更の取扱基準の整備
  5. (5) 建築物の仮使用承認手続及び完了検査制度の見直し
  6. (6) 既存不適格建築物の増改築に係る基準の緩和
  7. (7) 環境負荷低減に資する設備の容積率規制の緩和
  8. (8) 住宅用屋上設置太陽光発電設備に係る高さ規制の緩和
  9. (9) 準工業地域におけるバイオガス製造事業に関する建築規制の緩和
  1. (10) 都市開発やエリアマネジメント活動に係る行政手続のワンストップ化
  2. (11) 再々開発事業に向けた都市再開発法の改正
  3. (12) 老朽建築物等の建替え等に資する容積率の緩和
  4. (13) 特例容積率適用地区の拡大
  5. (14) 民有地内に道路区域を設ける場合の容積率緩和
  6. (15) 道路占用許可基準の緩和
  7. (16) 定期借家制度の見直し
  8. (17) 借地借家法における正当事由制度の見直し
  9. (18) 都市再開発法における借家継続規定の緩和
  10. (19) マンションの建替えの円滑化等に関する法律における住宅最低面積の緩和
  11. (20) 区分所有法における決議要件の緩和
  12. (21) 区分所有法における一括建替え決議要件の緩和
  13. (22) 市街地再開発事業の円滑かつ迅速な実施
  14. (23) 各省庁・自治体発注工事における提出書類の書式統一
  15. (24) 公共工事における随意契約のガイドラインの確実な適用
  16. (25) 監理技術者等の途中交代ルールの徹底
  17. (26) 集合住宅の面積制限の緩和
  18. (27) 自動車保管場所証明申請書の統一及び記載方法の見直し
  19. (28) 中国人訪日査証の要件緩和・見直し

2.運輸・流通分野 (PDF形式、41ページ)

  1. (1) 45フィートコンテナ等大型貨物の輸送許可制度の創設
  2. (2) 特殊車両通行許可申請の見直し
  3. (3) 車両総重量の見直し
  4. (4) 電気自動車設置時の電力受給契約の見直し
  5. (5) 特殊自動車の運転免許規定の緩和
  6. (6) 路上パーキングスペースにおけるカーシェアリングステーションの設置
  7. (7) 公共施設におけるカーシェアリングステーションの設置
  8. (8) 貨物自動車運送事業者によるレンタカー使用期間の緩和
  9. (9) 市街地における貨物車両の作業円滑化
  1. (10) 自動車の保管場所の確保に関する見直し
  2. (11) 港湾計画見直しの迅速化
  3. (12) 限定近海区域における内航船の航行基準の緩和
  4. (13) 瀬戸内海における夜間航行制限の緩和
  5. (14) 日本籍船に搭載する艤装品に関する規制緩和
  6. (15) 日本籍船の増加に向けた船員資格に係る手続きの簡素化
  7. (16) 夜間出入港規制の緩和
  8. (17) 領海内における外国船舶の荷役待機のための錨泊等の再開
  9. (18) ビジネスジェットの利用促進に向けた基盤整備
  10. (19) エアゾール製品(スプレー缶)の輸入品検査の簡素化
  11. (20) リチウムイオン電池の航空輸送規制の見直し
  12. (21) 屋上ヘリポートにおける給油及び給油施設の設置
  13. (22) 航空機給油取扱所の基準見直し
  14. (23) 需要に応じた定期便の経路変更認可・運休届出の迅速処理
  15. (24) 定期路線経路上の一地点を目的地とする臨時便の取り扱いの緩和
  16. (25) 東京ヘリポートへの計器進入の設定
  17. (26) 経済連携協定に基づく特定原産地証明書発給の改善
  18. (27) 通関業務の対応柔軟化
  19. (28) 物流の効率化に向けた通関及び検疫業務の改善
  20. (29) 都市計画法による用途規制の緩和
  21. (30) 大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針における必要駐車台数の見直し
  22. (31) 大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針における騒音の評価方法の見直し
  23. (32) 大規模小売店舗立地法における騒音、交通調査の簡素化
  24. (33) 大規模小売店舗法における建物設置者の取扱いについて
  25. (34) 大規模小売店舗立地法に基づく届出に際しての手続きの簡素化
  26. (35) 大規模小売店舗立地法における説明会開催の周知範囲と方法の見直し
  27. (36) 大店立地法届出済店舗の届出内容変更時における変更届出要件の見直し
  28. (37) 市街化調整区域での調剤薬局の開発許可について
  29. (38) 医薬品登録販売者制度の見直し
  30. (39) クリーニング業における都道府県の衛生措置規制の見直し
  31. (40) 保健所の営業許可におけるコンビニエンスストアへの規制の適用について
  32. (41) 道路法における車両出入口設置基準について

3.農業・食品分野 (PDF形式、4ページ)

  1. (1) 農業生産法人の構成員要件等の見直し
  2. (2) 農地におけるガス事業の公益特権の整備および明確化
  3. (3) 輸入食品の検査命令における優良製造者・加工者への特例
  4. (4) 輸入麦の売渡制度並びに砂糖・でん粉にかかる価格調整制度の見直し

4.廃棄物・リサイクル、環境保全分野 (PDF形式、32ページ)

  1. (1) 産業廃棄物の輸出に関する規制緩和
  2. (2) 廃棄物処理施設許可の欠格事由の見直し
  3. (3) ボイラおよび焼却炉出口の一酸化炭素濃度規制における特別措置枠の拡大
  4. (4) 企業グループでの産業廃棄物の自ら処理
  5. (5) 自社所有・運行でない車両での製品の下取り
  6. (6) 収集運搬業の許可主体の広域化と許可申請時の添付書類の統一
  7. (7) 事業系一般廃棄物の処理に関する特例の創設
  8. (8) 産業廃棄物の保管期間の上限とマニフェスト返送期限の緩和
  9. (9) 再生利用認定制度の拡充
  1. (10) 広域認定制度を活用した他社製品(PC等の情報処理機器)回収の実現
  2. (11) 広域認定制度の対象品目の拡大
  3. (12) 繊維製品に係る広域認定制度の適用範囲の拡大
  4. (13) バイオマス由来製品等のサーマルリサイクルの広域認定制度への適用
  5. (14) 広域認定制度における申請者の手続簡素化
  6. (15) 広域認定申請時の届出事項の簡素化
  7. (16) 広域認定を取得した際の事前協議申請・報告の撤廃
  8. (17) 産業廃棄物処理業に関する変更の届出期限の緩和
  9. (18) 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付状況の報告の統一
  10. (19) 既存施設を活用した産業廃棄物処理施設の許可の迅速化
  11. (20) 産業廃棄物処理業等の許可申請時の「5%以上の株主」の届出の免除
  12. (21) 産業廃棄物処理施設の許可に係る手続の簡素化
  13. (22) 廃棄物の多量排出事業者計画の統一と報告の電子化
  14. (23) 廃棄物処理法に係る許可手続の電子化
  15. (24) 廃棄物判断基準における輸送費の取扱いの柔軟化
  16. (25) 廃棄物の中間処理方法等の全国統一
  17. (26) 域外廃棄物の流入規制の見直し
  18. (27) 食品リサイクル促進に向けた廃掃法の特例の明確化及び拡充
  19. (28) 古物営業、金属くず等の許可申請書類の簡素化
  20. (29) 土地の形質変更を意図する際の規制緩和
  21. (30) 土壌汚染対策法における指定調査機関の業務規定についての改定
  22. (31) 排水規制項目の世界基準への統一について
  23. (32) バッテリー製造工程における消火設備の規制緩和(水系消火設備認可)

5.危険物・保安・防災分野 (PDF形式、5ページ)

  1. (1) 高圧ガス保安法における軽微な変更工事の範囲の明確化
  2. (2) 消防車3点セットの大型高所放水車の代替としてI-S型普通泡放水砲の完全採用
  3. (3) 高圧ガス保安法における「火気を取り扱う施設」の取り扱い正常化
  4. (4) 移動式給油車の使用における給油量の統一
  5. (5) 高輝度蓄光式誘導標識の設置基準の緩和について

6.エネルギー分野 (PDF形式、12ページ)

  1. (1) 低公害車であるCNG(圧縮天然ガス)自動車の普及促進
  2. (2) 再生可能エネルギーとしての地熱資源活用の促進
  3. (3) 地熱発電用地熱井の温泉法からの適用除外
  4. (4) 潜熱回収型給湯器のドレン排水処理に関する行政手続きの統一化
  5. (5) 住宅の省エネ性能評価モデルの統一
  6. (6) 中小水力発電所の普及促進
  7. (7) 放射線発生装置移動使用範囲の拡大
  8. (8) 燃料電池発電設備に関する技術基準省令の改正
  9. (9) 省エネ法に基づく定期報告書等の提出先の一元化
  1. (10) 省エネ法に基づく報告と各自治体の地球温暖化対策条例等に基づく報告の一元化
  2. (11) 省エネ法における「住宅・建築物関係」の対象範囲の見直し
  3. (12) 省エネ法における地縁的一体性を持った複数事業所の取り扱いの適用範囲拡大

7.情報・通信、放送分野 (PDF形式、35ページ)

  1. (1) 遠隔医療に関わる規制の見直し
  2. (2) レセプトのオンライン化の推進
  3. (3) 一般用医薬品の通販規制の撤廃
  4. (4) 処方箋の電子化と制度運用の可視化
  5. (5) 医療情報外部保存と2次利用に関する法整備
  6. (6) 医薬品の承認、一変承認及び軽微変更届における手続きの電子化
  7. (7) 住民税特別徴収関連手続き全般の電子化・オンライン化および窓口の一本化
  8. (8) 電子帳簿保存の承認要件の緩和
  9. (9) 全地方自治体における法人地方税の電子申告・届出(eLTAX)の可能化
  1. (10) e-Taxによる消費税申告手続の改善
  2. (11) 償却資産税申告の電子化
  3. (12) 航空機燃料税申告の電子化(e-Tax)
  4. (13) デジタル教科書を前提とした仕組みの構築
  5. (14) 指導要録のデジタル化に関する運用規則の定義
  6. (15) 学校で保管する情報の保管場所に関する運用規則の改正
  7. (16) 各教科の指導におけるICT活用の効果等の学習指導要領への明記
  8. (17) 環境確保条例に関わる届出申請の電子化
  9. (18) データセンター環境規制に関する基準の統一化
  10. (19) 住民基本台帳ネットワークの利用業務拡大および民間事業者での利用
  11. (20) 公的個人認証サービスの民間事業者への利用拡大
  12. (21) 電子署名法における利用者の真偽の確認の方法
  13. (22) 政府統計情報の二次活用
  14. (23) 自動車関連情報の利活用
  15. (24) GISで管理する法規制区域の電子データ提供
  16. (25) 戸籍の集中管理
  17. (26) 国、自治体、独法共通の入札参加申請システムの構築
  18. (27) 金融商品取引に関わる書面の電子化
  19. (28) 保険契約の解約返戻金がないことを記載した書面の交付義務緩和
  20. (29) 航空機登録申請の添付書類を削減した上での電子化
  21. (30) 航空機用火工品輸入時の手続きの電子化・簡素化
  22. (31) コンテナ型データセンターに関わる規制の見直し
  23. (32) ネット選挙の解禁
  24. (33) 国際標準化に向けたJIS制定手続の短縮化および英語原案の容認
  25. (34) PLC(高速電力線通信)の屋外利用
  26. (35) モバイルWiMAX移動局の技術条件の緩和

8.金融・保険・証券分野 (PDF形式、7ページ)

  1. (1) 保険契約の移転・承継に係る消費者保護ルールの充実
  2. (2) 特別勘定に関する現物資産による保険料受入、移受管
  3. (3) 特定融資枠(コミットメントライン)契約の借主の対象範囲拡大
  4. (4) 顧客保護の観点より、「信託契約代理業」に係る規制を適正化すること
  5. (5) 銀行法第16条の3(5%ルール)、同法第52条の24(15%ルール)の適用対象から信託勘定を除外すること
  6. (6) コミットメントラインのコミットメントフィーが貸金業法上の「みなし利息」に該当しないことの明確化
  7. (7) 貸金業法の対象の緩和

9.雇用・労働分野 (PDF形式、14ページ)

  1. (1) 企画業務型裁量労働制に関する対象業務・労働者の拡大
  2. (2) 企画業務型裁量労働制に関する手続きの見直し・簡素化
  3. (3) 事務系労働者の働き方に適した労働時間制度の創設
  4. (4) 週休2日制の場合のフレックスタイム制における法定労働時間枠の変更
  5. (5) 安全衛生委員会の近隣事業所との合同開催
  6. (6) 機能子会社の安全衛生委員会の集約
  7. (7) 安全管理者等の兼務要件の緩和
  8. (8) 労働安全衛生法上の職長教育の見直し
  9. (9) 新規化学物質届出制度の統合
  1. (10) 労働条件の明示の方法にかかる電子メール等の解禁
  2. (11) 「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)に関する疑義応答集の改善
  3. (12) 派遣受入期間の制限のない専門26業務に関する疑義応答集の改善
  4. (13) 医療関連業務における労働者派遣の拡大
  5. (14) 自由化業務における労働者派遣の受入期間制限の緩和

10.通商・国際協力分野 (PDF形式、11ページ)

  1. (1) 海外グループ会社に対する貨物の輸出等に係る許可の不要化
  2. (2) 返送のための輸出等に係る許可の不要化
  3. (3) 海外における居住者間の技術提供に係る許可の不要化
  4. (4) 原子力分野の貨物の輸出等に係る許可手続きの簡素化
  5. (5) 輸出承認に関する包括制度の導入
  6. (6) 化学物質の輸出承認の適用除外範囲の拡大
  7. (7) 技術導入契約の締結等に係る届出等の廃止
  8. (8) 危険物の海上輸送に係る手続の簡素化
  9. (9) 高圧ガスの輸入に係る容器検査手続きの簡素化
  1. (10) 鮭鱒類の輸入承認の迅速化
  2. (11) 貿易保険の民間保険会社への開放部分の拡大

11.外国人材分野 (PDF形式、8ページ)

  1. (1) ポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置の早期導入
  2. (2) 幅広い外国人材受入促進のためのポイント制度の早期導入
  3. (3) 高度人材による外国人家事使用人帯同の要件緩和
  4. (4) パッケージ型インフラの海外展開に対応した在留資格「研修」の見直し
  5. (5) 専門士の資格を持つ留学生に対する在留資格取得要件の緩和
  6. (6) 外国人技能実習制度の期間延長
  7. (7) EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士が活躍するための環境整備
  8. (8) 年金脱退一時金制度の見直し

12.その他 (PDF形式、13ページ)

〔経済法制〕

  1. (1) 企業の国際競争力強化に資する企業結合規制(審査手続及び審査基準)の抜本的改革の早期実現
  2. (2) 公正取引委員会に対する株式取得届出書の届出要件の一部緩和
  3. (3) 独占禁止法第9条(一般集中規制)の廃止
  4. (4) 独禁法9条ガイドラインの改正
  5. (5) 独占禁止法第11条に基づく銀行の議決権保有規制の対象から信託勘定を除外すること

〔その他〕

  1. (6) 医薬品、医療機器の審査の迅速化
  2. (7) レーザーディスプレイ製品の国内一般販売に向けた法令・規格の整備
  3. (8) 同一事業所内における理容所・美容所の併設の容認
  4. (9) 法人等から契約に基づく債権の行使・債務の履行のために住民票の写し等の交付の申出があった場合の事務処理基準の更なる明確化
  1. (10) 森林情報の整備に向けた測量・実地調査等の推進のための環境整備
  2. (11) 新規事業所編入(同一健保内事業所における会社設立)に関する規約変更手続きの見直し(認可制から届出制への変更)
  3. (12) 高齢者を定年後に嘱託再雇用する場合等の健康保険と厚生年金保険の同日得喪手続きの簡素化
  4. (13) 官民交流法に基づき民間から国に交流採用された者の企業年金加入資格の取扱いの見直し
以上

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