今こそEIA交渉を開始すべき

共同声明

(仮訳/英文正文
2011年5月13日

日本の経済界を代表する日本経団連、欧州の業界団体である欧州情報通信民生電子技術産業協会、欧州商工会議所、欧州商工会ならびに欧州ビジネス協会は、日・EU首脳に対し、今月開催される日・EU定期首脳協議において、経済統合協定(EIA)交渉の開始に合意するよう求めるものである。

昨年、東京で開催された日・EU定期首脳協議での合意に則って、欧州委員会と日本政府は、日・EU経済関係を包括的に強化、統合するための方策について共同検討作業を行っている。双方の首脳は、今月開催される首脳協議において、共同検討作業で特定された関係強化のための結果と選択肢に基づいて、次の適切なステップを決定することになっている。今回の決定は、日・EU関係が次の二つの道のいずれを辿るのかという岐路に立たされている中で行われる。

一つは、今回の定期首脳協議を通じて、貿易経済関係において対等な競争条件を確保するための基礎を固めることができなかった場合である。日・EU双方の経済をより豊かにしたであろう貿易拡大の潜在的可能性が失われてしまうばかりか、現状の取引関係にもマイナスの影響を及ぼしかねない。日本における最近の震災とそれに伴うグローバルな規模での生産システムの停止に見られるように、サプライチェーンや取引関係は複雑かつ相互に依存している。

もう一つは、包括的で野心的なEIAに向けた交渉開始に合意した場合である。市場アクセスが改善され、規制が統一されることによって、双方の競争力が強化され、雇用にもプラスの影響をもたらすことになる。さらに、日・EUは、多くの価値観を共有し、高い技術水準を誇っており、それらを基礎に明るい未来を築くことができる。いずれを選択すべきかは明らかである。

われわれは、日・EU双方から発せられた最近の政治的なメッセージに意を強くしている。日本政府は、昨年11月9日に「包括的経済連携に関する基本方針」として国を開き、競争力を強化するために抜本的な国内改革に取り組む旨決定した。さらに、正式なEIA交渉では非関税措置や政府調達について解決策を講じる意欲と意志があると表明している。一方、3月24日〜25日に開催された欧州理事会(EU首脳会議)は、自由貿易協定交渉を開始するという可能性を通じたものを含め、日・EU関係を強化し、共通の課題を前進させるために、来るべき日・EU首脳協議の機会を活用しなければならないとした。

EU首脳会議の上記結論は、非関税障壁や公共調達に関する規制の問題に日本が取り組む意志があることを前提としたものであるが、われわれは、日・EU双方の拘束力あるコミットメントに基づく真剣な交渉を通じてのみ、それら課題の解決に向けて進展を見ることができると確信している。

日・EUは、現在の政治的なモメンタムを確実に行動に移さなければならない。今こそEIA交渉開始に合意すべきである。

以上

日本語のトップページへ