閉塞状況を脱し、日本経済への信頼感を回復するための経済対策を求める

1995年9月11日
社団法人 経済団体連合会


景気の停滞が続き、経済構造改革が進まない中、経営者の間に、日本経済の先行きに対する危機感が高まっている。早急に経済の活性化が図られなければ、企業は一層の雇用調整を余儀なくされ、雇用不安が顕在化する恐れがある。こうしたなか、海外でも日本経済を不安視する声が強い。
かかる閉塞状況を脱し、日本経済に対する内外の信頼感を回復するため、政府は、当面の対策として、税制の抜本改革の早期実施、大規模な第二次補正予算の編成、規制撤廃・緩和の一層の推進、首都移転の早期実現に取り組み、なお一層の為替の安定に努め、企業活力が十分に発揮できる経済環境を整備すべきである。とりわけ、政府が策定中の経済対策に、下記の政策を盛り込むことを強く要望する。

【記】

  1. 税制抜本改革の早期実施
  2. わが国経済の安定的成長ならびに豊かな高齢化社会の実現に向け、直間比率の見直しを含む抜本的税制改革が不可欠である。当面、景気対策につながる以下の税制改正を実施すべきである。

    1. 法人税・法人事業税の大幅軽減、地価税の廃止、固定資産税の軽減による法人の税負担の軽減
    2. 所得税の特別減税の継続
    3. 長期保有土地の譲渡益重課制度の廃止
    4. 有価証券取引税の廃止

  3. 大規模な第二次補正予算の編成(別紙参照
  4. 大規模な第二次補正予算(真水5兆円以上)を編成し、切れ目なく公共事業を実施する。さらにその配分については、従来の枠組みにとられわず、民間投資を誘発し、日本経済の活性化に資する分野に重点を置くべきである。その際、財源については赤字公債の発行を躊躇すべきではない。

  5. 規制撤廃・緩和の一層の推進
    1. 行政改革委員会が7月に公表した農業(農産物の価格支持制度等)、金融・証券、物流等の40分野の規制緩和を速やかに実現すべきである。
    2. 規制緩和推進計画の改定スケジュールを明らかにするとともに、計画の定めに従い、行革推進本部において内外の要望を広く取り入れるべきである。


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