記者会見における今井会長の発言より

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1999年10月4日
(社)経済団体連合会

【景気】

記者:日銀短観を踏まえて、景気の現状と見通しをどう考えるか。

今井会長:企業の景況感は大幅に改善しつつある。今年1-3月、4-6月と2四半期連続で(実質経済成長率が)プラスと発表されたのを受けて、景気が確実に回復に向かいつつある、と経営者の景気認識にはっきりとあらわれたのではないか。但し、民間設備投資は依然としてマイナスであり、景気が自律的な回復に向かっているとは、まだ言えない。
今は96年当時と同じ状況にあり、正念場である。ここでもう一段の財政・金融政策による景気下支えが必要と思う。臨時国会で総合経済対策の下、第2次補正予算を編成していただきたい。98年度と同程度の15ヵ月予算となるよう、十分な量的な手当てが必要である。同時に、経済構造改革に資する財政支出とすべきである。
いろいろな面で、産業・企業の構造改革が進行中である。企業が改革を進めやすいよう、法制・税制面での手当てを、臨時国会、次期通常国会で行なっていただきたい。企業は(その施策を)利用し、バランスシートの改善に努め、構造改革の道筋をつけなければならない。これらを実行すれば、景気の回復基調がより鮮明になり、2001年度には、政府目標の2%程度の成長軌道に乗るのではないか。

記者:記者:景気を回復させる上で、懸念材料は何か。

今井会長:予期しない急激な円高の進行と、長期金利の上昇である。
既に急激な円高の傾向はあらわれてきている。現在は1ドル=104円〜105円のレベルであるが、これ以上円高が進行しないよう、経済政策と金融政策の整合性を保ってやっていただきたい。

【東海村事故】

記者:杜撰な管理体制が原因とわかってきたが、経団連会長としての見解は。

今井会長:全く信じられない事故である。被害の拡大はないとの見通しが立ったようであり、大変安堵している。マニュアルが勝手に変更されるなど、産業人の常識では考えられない事故が起こった。原因と責任について、厳しく追求していかねばならない。それに基づき、二度と同じ事故が起きないよう、安全対策を講じる必要がある。企業の原子力関係者が集まり、防止策を十分話し合うべきである。
原子力の安全性に留意し、十分な安全対策を講じつつ、地球環境保全の観点からも、原子力政策をきちんと日本の政策の中に位置づけ、原子力利用を推進していく必要がある。

以 上

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