記者会見における今井会長の発言より

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2000年1月17日
(社)経済団体連合会

【株価の動向】

景気は今年後半にかけて良くなっていく。平均株価が2万円の水準を超えるのも時間の問題だ。個人投資家もかなり動いている。日本経済の好転に伴い投資家が欧米より日本を投資先に選び、株価は堅調に推移するのではないか。

【為替相場】

現在、1ドル=105円前後で推移しており、容認できる範囲であると思う。しかし、1ドル=100円を割るレベルまで円高が進むと、日本のみならず、米国も資金流入が減り、米株価へも影響が出る。為替の変動は注意深く見守る必要があるが、今は急激な円高の進行をあまり心配することはない。

【春 闘】

経団連では労使関係のテーマは検討していないので、私見を申し上げると、各企業とも構造改革を懸命に進めており、また、業界間の格差、企業間の業績の差が出てきているので、一律に賃上げを交渉を行なうということは、もう合わなくなってきている。そうした意味で、「春闘」という言葉は死語になりつつある。
なお、賃上げにとどまらず、高齢者雇用や社会保障のあり方など、重要な将来の問題について、もっと話し合うべきである。

【新生長銀の役員就任】

非常勤取締役に就任する判断を行なった。これは、(1)新生長銀の経営基盤強化が公的資金の回収拡大につながること、(2)新生長銀は今後3年間は、急激な融資の変更を行なわないことになっているが、貸出方針のいかんによっては日本経済の根幹に大きな影響を与えかねないことから、取締役として新生長銀の経営を見守り、経営基盤強化のため力を尽くすことが広くわが国の公益にも資すると考えたためである。

【産業競争力会議】

明日(1月18日)開催予定の産業競争力会議では、高コスト構造の是正と産業技術力強化に関する産学連携が議論される。人材育成、産業界として望ましい金融市場、リーディング・インダストリーなど、議論すべき問題がまだ残っており、産業競争力会議を継続し、こうした問題を議論していくことを確認したい。

【「真に豊かな老後のための有識者会議」への期待】

明日(1月18日)以降、月1回のペースで会合を開催し、4月頃に論点を整理した上で、5月以降、分野ごとの具体的な議論を進め、秋頃に結論を出す予定のようだ。かなり突っ込んだ議論をしたい。

以 上

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