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記者会見における奥田会長発言要旨

2004年3月8日
(社)日本経済団体連合会

【独禁法改正について】

公正取引委員会が、課徴金を「行政制裁」であると認め、刑事罰との間で調整するとしている点は前進であると評価するが、課徴金引上げの根拠や刑事罰との調整方法、加算制度・措置減免制度の具体策、制裁にふさわしいデュー・プロセスの確保など様々な問題が残されている。これらの問題に対して、説得力のある論拠や具体的な制度設計を明らかにしないまま拙速な法改正を進めるのであれば、日本経団連としては容認できない。すなわち、公正取引委員会が進めている独禁法改正には反対である。措置体系全体の見直しについてのオープンな議論を時間をかけてでも行い、コンセンサスを得るべきである。
なお、公共事業分野における不可欠施設に対する新たな規制については、今回は見送ることにした点は評価する。

【景気・為替・金融政策について】

現在の為替水準は、輸出企業にとっては居心地がよい水準だ。ただし、ユーロと米ドル両方で取引をしている場合には、ドル高の効果が相殺される。
地方や中小企業には、まだ景気回復の実感が及んでいないようだが、今後数ヵ月ほどの間に波及効果が出てくるのではないか。素材価格が上がってきているが、これが直ちに物価上昇につながるとは考えていない。
福井日銀総裁は、その場その場で的確に仕事をされており、高く評価している。ゼロ金利政策については、株価・為替相場に大きな変化がない限り、当面はこのまま続けるべきである。

【日墨FTA】

従来から述べているように、お互いに譲歩すべきところは譲歩して、できるだけ早く交渉をまとめてもらいたい。

【西武鉄道への措置】

1991年に企業行動憲章を定めて以来、会員企業に対して反社会的勢力との決別を訴えてきただけに、今回の事件については遺憾である。経団連は、西武鉄道からの申し出を踏まえ、本日の定款第13条委員会(会員に対する措置を審議する機関)で、堤会長の経団連理事の退任と、当分の間、同社を活動自粛措置とすることを決定した。

【副会長人事】

調整に時間がかかっているが、4月には発表できると考える。

【東京証券取引所の社長・会長人事について】

会長に民間人が就任することについては、「官から民へ」の流れに沿ったもので歓迎すべきことである。東証とは直接利害関係のない業界出身の方が就任する方がよいと考える。

【佐藤観樹前衆議院議員の逮捕について】

こうしたことが起こらないよう、政界として今回の事件を深刻に受け止め、日頃から監督などを行ってほしい。

以上

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