経済くりっぷ No.14 (2003年2月11日)

奥田会長の発言から


1月15日(水) 日本経団連労使フォーラムでの講演より

消費税議論を改革の突破口に

「日本経団連が元旦に公表したビジョンで、日本の財政や社会保障制度を持続可能なものに再構築するため、消費税率を2004年度から毎年1%ずつ引き上げていけば、2025年度時点での消費税率を16%に抑えることができるという試算を示したところ、16%という数字が一人歩きしているように感じます。消費税の引き上げにあたり、歳出の削減、公的年金の給付水準の引き下げ、老人医療を含む公的医療保険の改革、外国人の受け入れなど、さまざまな方法を検討し努力をするという前提がうまく伝わっていないようですので、ビジョンをよく読んでいただきたいと思います。
私は、消費税の議論は、現在の日本人の生活を分析し、日本の構造を変えていく上で突破口になると考えます。学者の中には、デフレ克服のために消費税の値上げを私が言っていると評する向きもありますが、私の提起したいのは単に消費税の問題に止まらず、これを手始めに全体的な議論をしていきたいということです。このような検討から、新しい日本の進むべき方向が生まれてくると思います。」


1月22日(水) 国民政治協会新年懇談会での挨拶より

政治と経済は車の両輪

「2003年はペリー来航から150年、江戸開府から400年と歴史的には一つの時代を画する年ですが、日本は内外ともに諸々の課題を抱えており、われわれにとりまして重要な年になると気持ちを引き締めています。
日本経団連のビジョンでは、国民の世論を喚起したいということで、言いにくいことを敢えて申しあげています。小泉総理自らも議論は進めてもらいたいと話されており、それに勇気を得て、われわれは今後とも提言をしていきます。
政治と経済は車の両輪であり、一緒に力を合わせて新しい日本をつくっていくことが求められています。そのためには、一刻の猶予も許さないという決意を持って、経済界は仕事をしていくつもりです。政治においても、資金的、思想的に確固たる基盤を有する責任政党が必要であり、われわれは今後とも自由民主党への協力を進めていきます。」


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