経済くりっぷ No.14 (2003年2月11日)

1月21日/企業行動委員会(委員長 奥田 碩会長)

企業倫理徹底への決意

−第1回企業倫理トップセミナーを開催


企業行動委員会では、1月21日、「第1回企業倫理トップセミナー」を開催した。当日は、社長・会長75名を含む企業倫理担当役員ら440名が参加し、奥田会長、池田守男企業行動委員会企画部会長が、企業倫理の徹底に向けて経営トップのリーダーシップを求めた。また、中島経営法律事務所の中島茂代表が、コンプライアンス経営確立に向けたトップの役割について講演した。

I.奥田会長挨拶要旨

本日のセミナーに大勢のトップ・役員に参加いただいたことは、「不祥事は起こさない」という、決意の一端を示すものであろう。しかし、企業倫理は、いくら努力してもやりすぎることはないテーマである、万が一、問題が生じた場合には、経営トップ自らが問題解決にあたる姿勢を表明し説明責任を果すとともに、再発防止策の実施に真摯に取り組んでいただきたい。
1月1日に発表した「活力と魅力溢れる日本をめざして」で示しているように、21世紀の日本は、これまでの画一的で横並びの社会とは決別して、個人や企業が自らの価値観に基づいて行動する、民主導・自律型の経済社会に転換しなければならない。企業倫理の確立は、このような社会を築くための大前提である。企業が社会の「共感と信頼」を失えば、新しい日本を創る原動力にはなり得ない。

II.池田部会長挨拶要旨

企業活動の重要な基盤は、社会の「共感と信頼」である。消費者・ユーザーの信頼を裏切る行為は、この基盤そのものを自らの手で崩壊させるものであり、ひいては、公正・透明なルールを前提とする市場経済への不信を招きかねない。
経営トップは、企業倫理の徹底に向けて、率先垂範するとともに、現場を回るなど、社内のさまざまな声を吸い上げる努力を惜しんではならない。また経営トップは、不祥事は隠蔽できるものではないこと、一旦不祥事が発生すれば、企業に対する信頼が一朝にして失われてしまう時代であることを強く認識しなければならない。

III.中島弁護士講演要旨

コンプライアンスとは、法令遵守といわれるが、本来は、単に法律を守ることではなく、相手方の期待に応えるということである。企業の「相手方」とは、消費者、株主、従業員、地域社会であり、その期待に応えることが出発点である。コンプライアンス確立の10ヵ条は、

  1. コンプライアンスの意味の徹底、
  2. 明確・シンプルなコンプライアンス規程の制定、
  3. 専門組織の設置、
  4. ホット・ラインの設置、
  5. 違反処理手続きの完備、
  6. 研修の充実、
  7. 失敗に学んだ再発防止策、
  8. オーディット体制の整備、
  9. トップの率先姿勢、
  10. 世論へのアンテナを持つ、
である。要は、経営トップが社員に対して、コンプライアンス確立を本気で考えていると言動で示すことである。

《担当:社会本部》

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