経済くりっぷ No.21 (2003年5月27日)

5月8日/1%クラブ世話人会(会長 伊藤助成氏)

「公」を担う個人を支援する仕組みについて


1%クラブでは、5月8日に世話人会を開催し、日本貿易会が設立した特定非営利活動法人国際社会貢献センターの活動につき、池上久雄理事長、宮内雄史事務局長から説明をきいた。引き続き日本経団連の新ビジョン『活力と魅力溢れる日本をめざして』で掲げられた、自立した個人が意欲と能力を持って「公」を担っていく社会を実現するために、企業ができることについて懇談し、本年度の1%クラブの活動計画について意見交換した。

I.池上理事長、宮内事務局長説明要旨

商社等を会員とする日本貿易会では、定款を改訂して社会貢献活動を事業に追加し、2000年4月に国際社会貢献センター(ABIC)を設置した。ABICは翌年5月に特定非営利活動法人(以下、NPO法人)となり、商社OBを中心とする海外経験豊富な人材が、国際ビジネスを通じて培ったノウハウ等を活用して国内外で社会貢献活動にあたっている。ABICは有料職業紹介資格も取得している。現在、約1,200名が登録しているが、その約9割が海外駐在経験を持ち、約5割が2ヵ国語以上の外国語を話すことができる。
その特徴を活かして、

  1. インドネシア政府投資調整庁投資促進アドバイザー等、政府のODA関係での専門家派遣等への人材推薦、
  2. カンボジアで小型武器回収・廃棄活動を行っているNGO等への人材の推薦、
  3. 国内外の中小企業の国際ビジネス支援、
  4. 大学や小中高校向け「国際理解教育」への常勤講師派遣、
などの活動を行っている。
いずれも、無償ではなく有償での活動を基本としている。活動者は安くとも対価を得ることによって責任感が出るとともに、相手から評価されることを受け入れることができる。また、これらの活動を企画・調整するために、22名のOBがコーディネーターとして活躍している。本年4月には関西地区の活動拠点を設置した。
今後、外国企業と国内中小企業のジョイント・ベンチャー支援、中小企業の海外事業と在日留学生との橋渡しなど、これまでの活動をさらに発展させることも考えていきたい。
また、業界団体や企業グループなどで、専門性のある人材を登録して紹介できるような仕組みをつくることができれば、地方や中小企業、非営利セクターの基盤の強化に役立つであろう。

II.1%クラブの活動報告・今後の活動

1%クラブの法人会員数は現在273社で、年末チャリティ・フェスティバルの開催、年2回のニュース発行、NPO等からのイベント案内や支援呼びかけを掲載した情報の月1回のファックス配信等を行ってきている。これらの活動に加え、企業に勤める人々が現在1万以上設立されているNPO法人に対する理解を深め、参加や支援を通じて社会貢献しやすい環境をつくるため、『1%クラブNPOカレッジ(仮称)』の開設等を行うこととなった。

《担当:社会本部》

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