経済くりっぷ No.29 (2003年10月14日)

奥田会長の発言から


9月24日(水) 連合(日本労働組合総連合会)との懇談より

経済界、労働界も「壮」と「青」の組み合せで

「小泉第二次改造内閣では、大幅な若返りが行われ、経済産業大臣はじめ重要ポストに若い方が就きました。世界では若い指導者があらゆる分野で出現しており、日本も早く若返りを行わないと他の国に遅れると思っていました。中国の指導層もこの一年の間に大きく変わり、日本だけが『老』とか『壮』という世代によって政治や経済が行われる状況にありました。
今回の組閣では、『老壮青』といっていますが、実際には『老』が退き、『壮』や『青』の人事が行われたことは、非常に重要な変化です。経済界、労働界もこの変化に対応していかないと、波長が合わなくなります。『老』の力もあると強弁する人もいますが、それは一部の例外です。これからは、日本の経済界、労働界も『壮』と『青』の組み合せで進めるべきであると、閣僚の交代を見て感じました。いよいよ日本もこういう時代になってきたのか、こういうことをしないと日本も世界で経済や政治を新しい分野に進めていくことはできないと痛切に感じています。」


長い時間軸で雇用問題への対応を

「雇用問題を考える時には、時間軸を相当長くとらえる必要があります。現在、人が余って大変だと騒いでいますが、2010年以降になると、逆に足りなくなることは統計からも明らかです。高齢者や女性の雇用を促進することに加えて、それでも足りない部分は移民や外国人労働者に頼らざるをえません。
日本経団連のビジョンは2025年をベースに考えていますが、その時は労働力に不足が生じています。日本の労働力や産業の均衡状態が生まれてくるのは、この時期以降になると思いますが、このことを十分に考えてランディングさせる必要があります。現在のことだけ考えて対応をしていると、大変なことになります。われわれは、2020年、25年を念頭に雇用問題を考えていきたいと思います。」


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