12月18日/日本経団連評議員会

額賀福志郎 自由民主党政務調査会長

来賓挨拶

日本の活力を世界で発揮するために

額賀福志郎 自由民主党政務調査会長


先般の総選挙の際に国民にマニフェストという形で約束した事項を、来年度予算編成から、次の衆議院総選挙または来年の参議院選挙までに、実行する予定なのか、あるいは実行したのかということを明確にしておかなければならない。その意味で、われわれはマニフェストを厳しく受け止め、約束した事項の一つ一つをきっちりレールに乗せていかなければならない。そのために、政務調査会の中に重点政策推進委員会を設け、予算関係、年金・医療・介護を含めた社会保障制度問題、そして地方分権、三位一体改革等の地域活性化の問題を扱うこととした。これらの問題を従来のような積み上げ方式の意思決定ではなく、迅速かつ弾力的に対応することで、着実に構造改革を進めていきたい。

マニフェストの中での重要事項の一つに、2006年度に名目成長率2%を達成するということがある。今後は、これをいかに達成するか、そのためにどのような政策を展開していくかということが最大の課題である。その一環として、中央から地方へという三位一体改革が来年度予算編成の中で展開されていく。この三位一体改革は、小泉総理の強いリーダーシップのもと、進めているが、仮に従来と同様に各省庁に任せておいたならば、前例踏襲主義となり、前進しなかったであろう。

また、いわゆる国民生活の安心をつくっていく上で、年金をはじめ社会保障制度の問題にも鋭意取り組んできており、これまで経済界からもいろいろと注文をいただいたが、これらへの取り組みは構造改革の端緒を開くものであったと思う。この問題に関しては、2004年は介護保険、2005年は医療というように改革が断続的に進められていくので、消費税を含めた今後の税制抜本改革も含め、しっかりと考えていかなければならない。自民党では、小さな政府をめざす上で、国民負担率を50%以下に抑えていくためには、どのように負担を分かち合っていくかということが共通の認識となっている。

今後の政策運営としては、基本的にできる限り政府の役割を小さくするとともに、民間企業がしっかりと仕事ができる環境を整備していきたい。日本経団連には、国際競争に勝利を収めるように、適切に日本経済をリードしていただきたい。

20世紀は組織の時代、すなわち組織が一丸となって協力し合い、欧米にキャッチアップしようとした時代であり、その結果、会社や団体等に所属する個人が豊かになった。それに対して、21世紀は、個人がきちんと力を伸ばして、才能を開花させることで、会社や団体等の組織を引っ張っていく時代である。わが国では、人材の育成が最大の仕事であり、それぞれの企業においても、人材を大いに育てて、日本の活力を世界で発揮していただきたい。


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