3月4日/貿易投資委員会、アジア・大洋州地域委員会合同委員会(司会 槙原稔副会長)

経済連携協定(EPA)の戦略的推進に向けて

−額賀 自民党政務調査会長・FTAに関する特命委員会委員長よりきく


Introduction
貿易投資委員会とアジア・大洋州地域委員会では、合同委員会を開催し、額賀福志郎自由民主党政務調査会長・FTAに関する特命委員会委員長から「EPAの戦略的推進に向けて」と題する話をきくとともに、意見交換を行った。また、当日は、意見書「経済連携の強化に向けた緊急提言」について審議を行った(4頁参照)。

I.額賀政調会長説明要旨

日本にとって、中国と韓国が経済、安全保障を考える際の基軸であり、両国と競争的に共存していくべきとの考えから、現在、3ヵ国間のFTA(自由貿易協定)について検討している。一方、アセアン諸国についても、バランス感覚をもって日本の国益を確保すべく、広い分野での連携が必要であり、それが、小泉首相の提唱した日・アセアン包括的経済連携構想の実現につながると考えている。
私が委員長を務めている自民党のFTAに関する特命委員会は、毎週、広く門戸を開いて活発な議論を行っている。今般、党の政務調査会として、日本がFTAを推進する上での基本的考えを取りまとめ、農業の問題についても正面から取り組むこととした。また、党の総合農政調査会、農林水産物貿易調査会においても、日本の農業のあり方、競争力強化について精力的な議論を行っており、こうした議論を経て抜本的な農業改革を実現できると確信している。日本にとって、FTA推進は国家的な課題であり、党としての考えを政務調査会で取りまとめの上、小泉首相に最終的に判断いただくつもりである。
現在、FTA特命委員会で最も力を入れて議論を行っているのは、「人の移動」に関してである。日本の労働力人口減少等を踏まえ、合理的かつ整合性のある対応が必要であり、ODAを活用した日本語教育支援等、環境整備に力を入れるべきと考えている。
小泉首相は、FTAの推進に対し不退転の覚悟で取り組む意向であり、党と関係大臣がよく連携をとるよう、指示を出している。そうした中、現在大詰めの段階にあるメキシコとの交渉については、後に続く各国との交渉の試金石になるとの認識のもと、取り組んでいる。また、アセアン諸国との交渉は、アジア地域における安定かつバランスの取れた政治・経済関係の構築に向け、これからが正念場である。

II.意見交換(要旨)

日本経団連側:
政府に、FTA推進のための一本化した司令塔がほしいとの意見については、どのようにお考えか。
額賀政調会長:
党内は私を中心に一本化して取り組むつもりであり、政府についても、個人的には、各省縦割りの現状打破のため、対外経済担当大臣がいた方がよいと思う。

日本経団連側:
党内で議論されていることがわれわれにも見えるよう、工夫願いたい。
額賀政調会長:
政調会で議論している内容を、適宜、インターネットで発信したい。
《担当:国際経済本部》

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