経団連くりっぷ No.38 (1996年 8月 8日)

企業人政治フォーラム(会長 川勝堅二氏)/7月25日

「企業人政治フォーラム」活動を開始


去る5月28日の経団連総会で、経団連の特別委員会として「企業人政治フォーラム」が設立され、7月25日には、設立総会を開催し、本フォーラムの今後の事業方針が採択された。当日は、併せてシンポジウム「税金と政治」や、国会議員、学識経験者、マスコミ関係者を交じえた交流会を開催し、企業人約300名が参加した(シンポジウムの模様は次頁参照。本号最終頁「掲示板」で企業人政治フォーラムの参加案内を掲載)。

  1. 川勝会長開会挨拶要旨
  2. 現在、わが国は、経済構造改革の推進、国際情勢への適切かつ主体的な対応など、重要な課題を数多く抱えており、今ほど政治のリーダーシップの発揮が求められている時はない。
    政策本位の政治を実現し、政治のリーダーシップの発揮を可能にするためには、国民が政治に関心を持ち、投票などを通じて自らの意思を政治に反映することが不可欠である。その意味で、企業人も、積極的に政治家と対話し、政治参加を行なっていくことが求められている。
    最近、選挙における投票率の低下が目立っており、このような状況が続けば、日本の議会制民主主義は、機能停止という事態になりかねず、大変憂慮すべきことである。
    今日、政治も経済も激動期にある。このようなときこそ、実際のビジネスに携わっている方々と、政策形成に携わる政治家とが、互いに切磋琢磨し合い、よりよい選択肢を模索していく必要がある。
    当フォーラムの活動が、新たな政治と経済との関係を切り拓き、よりよい経済社会の形成につながることを期待する。

  3. 豊田経団連会長挨拶要旨
  4. 経団連では、若い人たちが、将来に希望を抱いて生きていける経済社会を創るため、本年1月に「魅力ある日本の創造」という将来ビジョンを発表した。そこでは経済構造の根本改革の必要性を訴えているが、実現のためには、政治のリーダーシップと、それを支える国民の熱意が不可欠である。
    われわれ企業人も国民の一人として、率先して政治家との対話を行ない、積極的に発言する必要がある。
    したがって、本フォーラムには、企業の幅広い部署・お役職の方々に参加していだきたい。とりわけ将来の経済界を担っていかれる人たちが、自ら社会を変革しようという気概を持ち、フォーラムにご参画いただくことが望ましい。また、政治家の方々にも広範な交流の機会を設けていただくようお願いしたい。
    政治と経済とが一定の緊張感を保ちながらも、相互の信頼関係を築き上げながら「魅力ある日本」の創造に取り組んでいくことが期待される。


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