経団連くりっぷ No.41 (1996年10月 9日)

農業保護の見えないコストを明らかに

−消費者負担に大きく依存したわが国の農業保護政策


農産物の価格支持制度等に伴う国民負担額の試算〔94年度〕

高齢化の進展による担い手不足や国際化の進展などの状況の中で、農政の抜本的な見直しが課題となっている。今後、わが国農政のあり方を議論するにあたっては、農業保護に伴うコストとベネフィットを具体的に把握することが重要である。財政支出によるコストは明確にされるが、価格支持制度等により生じた内外価格差というかたちで消費者が負担しているコストについては、その実態が明らかにされていない。

経団連では今般、第4回食品工業白書をとりまとめたが、そのなかで、6品目(小麦、ビール大麦、てん菜・さとうきび、でん粉、豚肉、加工原料乳)について、農産物の価格支持制度等に伴う国民負担額を独自に試算した。その結果、国民負担額は 4,420億円で、そのうち9割が消費者負担であることが判明した。
(食品工業白書の概要については8頁参照


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