経団連くりっぷ No.41 (1996年10月 9日)

環境安全委員会地球環境部会(部会長 加納時男氏)/9月24日

産業ごとの地球環境保全に向けた自主的行動計画策定についての説明会を開催


経団連では、現在団体会員に対して、さる7月に発表した「経団連環境アピ−ル」に基づき、地球環境保全に向けた産業ごとの自主的行動計画を策定するよう要請しているが、計画策定の参考に供するため、すでに検討に入っている4業界を講師に説明会を開催した。当日は、電気事業連合会、日本自動車工業会、日本チェーンストア協会、三井海上火災保険からそれぞれ計画策定の考え方や内容について説明を聞くとともに種々懇談した。以下はその概要である。

  1. 電気事業連合会説明要旨
  2. 電事連事務局内で検討の段階だが、「地球温暖化問題への対応」に関しては、従来から自主的に設定してきた「発電電力量当たりのCO2 排出量(CO2 排出原単位)の削減」が目標となろう。
    「廃棄物対策・リサイクル問題への対応」に関しては、電気事業から生じる産業廃棄物のうち、最も発生量の多い石炭灰の再資源化量の拡大が目標となろう。
    いずれも、1990年との比較による2010年の目標値を検討することになると思われる。

  3. 日本自動車工業会説明要旨
  4. 自工会では会員各社の「環境ボランタリープラン」見直しを受け、自工会としての「環境行動計画」の策定作業中であり、これを自主行動計画と位置づける予定である。
    数値目標として、地球温暖化防止については自動車の燃費向上(ガソリン乗用車は2000年、ガソリン貨物車は2003年が目標年度)と工場からのCO2 排出量の抑制(目標年度2000年)、循環型社会の構築についてはシュレッダーダストの減容化、新車のリサイクル可能率の向上(目標年度2002年と2015年)、製品中の有害物(鉛)の削減(目標年度2000年と2005年)、工場からの廃棄物の最終処分量の削減(目標年度2000年)等を予定している。

  5. 日本チェーンストア協会説明要旨
  6. 流通業としての自主行動計画の対象分野・目標について模索中である。
    CO2 対策では、省エネ型店舗が考えられるが、営業時間の変動のため、年度による比較が難しい。今後検討したい。
    また、メーカーと一体になったLCAを考慮した製品開発が重要課題である。
    循環型社会の構築では、包装資材の廃棄削減とリサイクルの推進に取り組んでいる。容器包装リサイクル法の遵守と、指定法人の積極的活用を進めたい。
    自治体によりゴミ収集処理の方法が異なり効率的でない。全国的標準化を期待する。

  7. 三井海上火災保険説明要旨
  8. さる7月に損害保険協会内に環境問題小委員会を設置、最近第1回会合を開催し、本件の検討を開始した。検討項目としては、ペーパーレス化、電力使用量・社有車のガソリン使用量の削減、ゴミの分別収集・リサイクル促進、再生紙利用等が考えられる。


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