経団連くりっぷ No.44 (1996年11月28日)

なびげーたー

21世紀への飛躍を目指し、政策研究所を設立

事務総長 三好正也


経団連は、調査・研究機能を高め、政策推進力を一層充実させるため、創立50周年記念事業として政策研究所を設立する。

  1. 設立の趣旨
  2.  経団連の使命のひとつは、委員会活動等を通じ、産業界の意思を適切に国の政策に反映させることである。
     わが国ではこれまで「官」(行政府)が政策立案の中心的役割を果たしてきた。しかしながら、今や本来の立法府主導へと転換していくことが求められており、今後は「民」も政策立案能力を高め、立法府等との連携強化を図り、政策立案に積極的に参画していくべきと考える。そこで、経団連としても、自らの実証的な調査・研究能力を高め、委員会活動等の理論武装の強化を図り、その政策推進機能を一層充実させる必要がある。
     また、今年1月にとりまとめた経済社会の長期ビジョン「魅力ある日本−創造への責任」の実現に向けても、理論的・実証的に一層掘り下げた検討が必要である。
     以上のような理由から、「21世紀政策研究所−魅力ある日本創造のために−」(仮称)を新たに設立し、経団連活動のシンクタンク機能の強化を図り、責任ある存在としての経団連の活動をさらに充実させ、内外の経済社会の発展に積極的に貢献していきたい。

  3. 研究所の特徴
  4.  本研究所では、グローバリゼーションの担い手である企業を会員とする経団連にふさわしく、現実の経済に軸足を置きつつ、グローバルな視点に立った未来指向の調査・研究を行なう。
     また、調査・研究にあたっては、経済活動の現場を担う「知の大集団」である会員企業の方々をネットワーク化し、その知識と経験を活用させていただくとともに、経済界以外から政治家、学者、ジャーナリスト、官僚等にも必要に応じて広く参加を呼びかけ、随時さまざまな方々からの協力を得ていきたい。その際には、高度情報化時代に対応した情報通信ネットワークも活用した新たな研究システムも模索できよう。
     さらに、国内外の関連組織ならびにシンクタンクとの密接な連携も図り、グローバルなネットワークを構築し、その研究成果を経団連の委員会活動等に反映させるとともに、適宜内外に公表していく予定である。

  5. 「設立準備懇談会(仮称)」の設置
  6.  なお、研究テーマ、組織・運営等の具体案については、会員企業、有識者等からなる「設立準備懇談会(仮称)」(座長 那須副会長)を設置して鋭意検討を進め、来年4月を目途に研究所を設立する予定である。
     本研究所の設立に向けて、会員企業の皆様のご支援、ご協力をお願いしたい。


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