経団連くりっぷ No.56 (1997年 5月22日)

豊田会長の一言


5月12日(月)
会長・副会長会議後の記者会見

「円が急騰しているということだが、以前から申し上げている通り、産業界にとって為替が乱高下することは好ましくない。為替相場は、日米両国のファンダメンタルズを示すものである。現在の日本の実力からすれば、110円から120円の間が望ましいのではないか。その意味で現在の水準は妥当であると思う。」

5月13日(火)
読売国際経済懇話会における講演

「現在、足元の景気は着実に自律回復への道を歩んでいる。こうした時こそ、21世紀においても繁栄を持続させるための大胆な改革を行なう絶好の機会である。このチャンスを逃すことなく、当面、多少の痛みを伴ってでも、思い切って取り組んでいかなければならない。財投制度についても、市場メカニズムを活用し、規模や分野を縮小すべきである。経団連としても、ユニバーサル・サービスの問題や財投に代わって民間がどのような役割を果たせるのかさらに検討していきたい。」

5月13日(火)
ブルガリア日本経済委員会ツォーチェフ会長との懇談

「ブルガリアでは最近総選挙が行なわれ民主勢力が政権を握ったと伺っている。貴国の国民が民主勢力が考える改革路線を支持し、経済改革および欧州への統合を一層推進することによって、経済的困難を克服する道を選択したことを歓迎している。経団連では、この秋に、中・東欧諸国を訪問することを検討しており、それによりわが国経済界の中・東欧諸国に対する関心が深まるものと期待している。」

5月14日(水)
21世紀政策研究所運営委員会

「魅力ある日本の建設と世界の平和と発展に貢献することが研究所設立の目的である。内外の英知を結集して総合的かつ中立的な政策研究を行ない説得力ある政策を提示していくことが重要である。研究所の設立を機に民間サイドで公共政策を研究するという広がりと厚みが出てくればと期待している。いずれにしろ小さく産んで大きく育てたい。立派な研究成果を積み重ねて、いろいろなところから、研究を委託されるようになることを望んでいる。」


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