読売国際経済懇話会(YIES)における豊田会長講演

経済社会システムの改革に向けて

1997年5月13日


  1. はじめに
    1. 豊田でございます。本日は、お招きをいただきまして、誠にありがとうございます。
      早速でございますが、「経済社会システムの改革に向けて」というテーマでお話しさせていただきたいと思います。

    2. 皆様ご承知の通り、我が国では現在、橋本総理が打ち出された所謂「六大改革」のプランに沿って、まさに経済社会システム全体のあり方が議論され、関係の審議会や、新たに設立された総理直属の行政改革会議などで、改革の具体策が検討されているところでございます。
      私自身も、こうした場に参加しておりますが、本日は、改革の必要性や、取り組むべき具体的課題などについて、申し上げたいと存じます。

  2. 経済社会システム改革の必要性
    1. わが国は、これまで「欧米先進国に追いつけ、追い越せ」ということで努力してきた結果、第二次大戦後の荒廃からも見事に立ち直り、短期間で、欧米にキャッチアップいたしました。
      これを支えてきたのは、官民が一体となった経済システムであり、政府と民間が協力することによって、資源を戦略的・重点的に配分し、高成長を実現いたしました。
      また、安定的な労使慣行、長期契約、メインバンク制度などは、産業の発展に効果を発揮するとともに、高度成長という「果実」を、国民全体が平等に分け合うことを可能にしてまいりました。

    2. しかしながら、その後、世界や日本を取りまく状況が様変わりしたにもかかわらず、現状に満足して、経済社会の新たなシステムづくりを怠ってきたことは否定できません。すなわち、これまでは有効に機能してきた仕組みが、今日ではむしろ新たな成長、発展への障害になっております。
      例えば、未だに行政に依存した経済運営が行われ、過度の規制が民間の自由な経済活動の妨げとなっております。
      また、特定産業の保護は、結果として、生産性の低い分野を温存するとともに、「弱者の保護」という名を借りた、不透明で歪んだ所得再分配を招きました。
      さらに、これまで「日本型経済システム」の象徴とされてきた、終身雇用や年功序列型の賃金体系についても、若年者の比重が高い人口ピラミッドが崩れるなかで、そのマイナス面が浮き彫りになってきたことは、皆様よくご存じの通りでございます。

    3. このように、従来型の経済社会システムが多くの問題を抱えるようになったことに加えまして、今後は、高齢化・少子化への対応も不可欠となってまいります。高齢化・少子化現象は、いわば先進国の宿命と言って良いのかもしれませんが、わが国の場合、諸外国にも例を見ないほどのスピードで高齢化が進んでおり、また、少子化の問題については、まだ本格的な議論すら始まっていないのが現状です。
      従いまして、今後の高齢化・少子化社会においても、活力を維持するためには、新しい経済の仕組みを、今から作っていかなければなりません。

    4. このように、日本の経済が色々な意味で大きな転換期にあるとは言え、私は、わが国の潜在能力は依然として高いと信じております。「どのように新しい経済社会システムを創造すべきか」という明確な理念・道筋を示し、色々な変革に取り組むならば、現在の閉塞感は払拭され、若い人が未来に希望を持てる社会をつくっていくことが可能だと考えています。
      そこで経団連では、昨年、『「魅力ある日本」の創造』と題した経済社会の長期ビジョンを打ち出し、現在、その実現に向けて、各分野での取り組みを具体的に進めているところでございます。
      経団連ビジョンの内容については、昨年の懇話会の場でお話させていただきましたが、その問題意識、理念を一言で申し上げれば、「21世紀においても活力ある経済社会を実現するためには、企業や個人が自己責任の下で活力を十分に発揮でき、リスクへの挑戦や独創性の発揮が高く評価される、自由・公正・透明な、内外に開かれたシステムへの転換が必要」ということでございます。
      つまり、「結果の平等」ではなく「機会の均等」の下で、努力が正当に評価される社会を実現していく必要があるということです。

    5. 現在、足元の景気は、着実に自律回復への道を歩んでおります。こうした時こそ、21世紀においても繁栄を持続させるための大胆な改革を行う絶好の機会であります。このチャンスを逃すことなく、当面、多少の痛みを伴ってでも、思い切って取り組んでいかなければなりません。

  3. 改革の具体的課題
  4. それでは、次に、21世紀に相応しい経済社会システムを構築するための課題について、私の思うところを申し上げたいと思います。

    1. 内需主導の経済成長
    2. まず第1点は、「内需主導の経済成長」の実現でございます。

      〔規制の撤廃・緩和〕

      自由で開かれた経済社会の構築に向けては、何よりも、競争的な市場環境を整備することが重要になってまいります。従って、「脱規制社会」、すなわち新規事業者の参入・退出の自由はもちろんのこと、既得権益にしがみついた事業展開は淘汰される社会としていくために、思い切った規制の撤廃・緩和を進めていく必要があります。
      規制緩和が経済社会にもたらす効果は、これまでの取り組みによって、既に実証されており、経済企画庁の試算でも、90年から95年に実施した規制緩和によって、年平均で8兆円近くの新たな需要が生み出され、経済の活性化に大きな効果を与えているとの結果が出ております。
      一例をあげますと、携帯電話の売切制をはじめとする通信分野の規制緩和策は、この分野におけるビジネスフロンティアの拡大につながり、産業空洞化を防止するとともに、新たな雇用機会を生み出してまいりました。
      また、今年3月末の規制緩和推進計画の最終改定においても、純粋持株会社の解禁や、輸送分野の需給調整条項の原則廃止が決定され、労働の分野でも、有料職業紹介事業の対象業種や、労働者派遣事業の対象業務が原則自由化されるなど、質量ともに充実した規制緩和策が打ち出されております。これらの措置は今後、経済の活性化に大きく貢献するものと期待しているところでございます。
      OECDでも、経済的規制の撤廃という原則を、近く打ち出す方向とのことでございます。わが国においても、引き続き、積み残しになっている医療・福祉、農業、教育などの分野を含め、更なる規制緩和に取り組んでいくことが重要でございます。現在の規制緩和推進計画は今年3月に最終改定を終了いたしましたが、経団連としては引き続き、計画の施行状況を監視するとともに、21世紀の活力ある経済社会に向けて、より一層の規制撤廃・緩和に取り組んでいきたいと思います。

      〔税制改革〕

      内需主導の経済成長を図っていくうえで欠かせないもう1本の柱は、税制改革でございます。
      21世紀に向けた税制のあり方は、「個人の能力・企業家精神の発揮」「企業の国際競争力維持」「高齢化への対応」といった観点から、考えていく必要があります。
      とりわけ、企業の税負担の国際的水準への引下げは不可欠です。世界規模の大競争が進み、企業が国を選ぶ時代となった今日、諸外国は、企業を経済活力や富の源泉として重視し、国際競争力を維持・強化するために法人税負担の軽減を進めております。こうした潮流からひとり日本が取り残されれば、産業空洞化の進行や、雇用への悪影響は避けられず、結局は税金も集まらない、ということになりかねません。
      21世紀においてもわが国が活力を維持していくためには、法人の税負担を少なくともアメリカ並みの40%程度まで軽減して、国際的な整合性をとっていただきたいと考えております。これは、決して経済界だけの主張ではなく、学界有識者なども含めて幅広いコンセンサスとなっております。また、政府や与党の場でも、毎年、検討テーマにあがりますが、未だ実現には至っておりません。これは、わが国の税制が「取りやすいところから取る」という考え方で成り立っているためでございます。こうした所謂「税制だけの論理」に基づく税体系は、法人に過重な税負担を強いるだけでなく、今日では、金融システム改革や土地の流動化など、様々な改革を進める上での妨げになっております。
      従いまして、今後は、こうした「税制だけの論理」から脱却し、活力ある経済社会の実現につながる税制を構築していかなくてはなりません。

    3. 行政改革
    4. 次に、行政そのもののあり方、すなわち行政改革の問題について申し上げたいと思います。
      民間主導の、活力ある経済社会の実現という観点からは「官から民へ」という原則にたって、「透明で、小さく、効率的な政府」を目指すことが、最も重要でございます。すなわち、可能な限りのことを市場に任せ、民間活力を最大限に発揮する、ということです。
      この問題については、現在、橋本首相直属の行政改革会議において、検討が進められておりますが、私も、先般、意見陳述の機会がございました。その際、「中央省庁の再編」については、内部部局は企画・立案・調査機能に純化する一方で、実施機能は分離し、行政組織の簡素化・効率化に向けて、中央省庁を大くくりに再編することを提案したところであります。
      また「内閣機能のあり方」についても、2つの提言を致しました。1つは、予算編成・外交など国の重要施策や危機管理については、基本的な方針を予め閣議で決定しておき、必要があれば総理大臣が直接、行政各部を指揮監督できるようにすべきということです。2点目は、現在、内閣官房や総理府が担っている総理大臣や内閣に対する補佐機能を整理・強化することです。
      さらに、行政に関連する制度ということで、「財政投融資制度」のあり方についても、基本的な考えを申し上げました。財政投融資は、戦後のキャッチアップの過程で一定の役割を果たしてきたわけですが、今日では、従来のような意味での財投の意義は薄れ、また郵貯・簡保による民業圧迫や、国鉄清算事業団・国有林野特別会計の累積債務に見られるような財政の肩代わりをもたらすという弊害も指摘されております。そこで、郵貯・簡保などの「入口」、個別財投機関の「出口」、そして「中間」にある資金運用部それぞれを切り離すべきと提案いたしました。郵貯・簡保の資金については、資金運用部への預託義務などを廃止し、例えばJRやNTTのような形の特殊会社として、税金を課すなど民間金融機関とイコール・フッティングにしてはどうかと考えております。また「出口」にあたる個々の財投機関についても、原則として自ら資金調達することによって、市場メカニズムを活用し、財投の規模や分野を大幅に縮小すべきでございます。但し、郵貯をはじめとする現行制度について、国民の根強い支持があることも事実であり、こうした声を踏まえないことには、改革は現実のものとはなりません。従って、経団連としても、今後さらに検討を深め、山間僻地を含めたユニバーサル・サービスの問題や、郵便事業との関係、さらには「財投に代わって民間はどのような役割を果たすことができるのか」といった点についても、具体的に提案したいと考えております。
      こうした一連の行政改革は、わが国のあらゆる改革の試金石といっても良く、何としても成功させなければなりません。従いまして、実際に行政に携わっている官僚の方々にも「どうすれば日本は良くなるのか」という気持ちで、ことにあたってほしいと存じます。また、改革を進める上では、何といっても世論の喚起が欠かせませんので、マスコミの皆様にも、是非ともお力添えいただきたいと考えております。

    5. 財政構造改革
    6. 続いて、行政改革と表裏一体の関係にある財政構造改革の問題について申し上げます。
      わが国の財政事情は、バブル崩壊に伴う税収減や、度重なる経済対策の実施もあって、現在では国と地方あわせて約440 兆円の債務を抱えるまでに悪化しました。また今後、急速な高齢化・少子化が進むなかで、現在の財政構造を放置すれば、社会保障関係費などを中心に、政府の規模は際限なく膨張することになってしまいます。
      我々が求めているのは、「21世紀においても、国民負担率の上昇を招くことなく、小さい規模で維持される財政」でございます。
      政府においては、橋本首相の財政構造改革会議が精力的な活動を行っており、先般打ち出された「財政構造改革5原則」では、

      1. 財政構造改革の達成時期は2003年とする
      2. 今後3年間を『集中改革期間』とする
      3. 来年度予算では政策的経費の伸びを前年比マイナスとする
      4. 公共投資基本計画などあらゆる長期計画を大幅に縮減し、歳出を伴う長期計画は作らない
      5. 国民負担率が50%を超えない財政運営を行う
      という財政健全化目標が設けられました。今後は、これらを達成するための方策が検討されることになりますが、その際は、財政の構造そのものを変えていかねばなりません。と申しますのも、昭和50年代の財政再建過程では、ゼロ・シーリングあるいはマイナス・シーリングによって、見かけ上は歳出の抑制に成功しましたが、実際には、シーリングの対象となった一般会計の予算が、特別会計、地方財政あるいは財投などに付け回されて、財政構造が歪められるとともに、従来の予算配分が温存され、硬直化を招いたからでございます。この轍を踏まないためには、単に歳出額を押さえ込むのではなく、それぞれの歳出の目的や制度の根幹にまで立ち返った見直しを行うことが不可欠です。
      とりわけ、一般会計におけるウエートが最も高く、また現状を放置すれば今後ますますの支出増が避けられない社会保障の分野については、これまでの発想を抜本的に改め、改革にあたらなければなりません。すなわち、年金・医療・介護のそれぞれについて、民間活力の発揮、財源の再検討、適正な自己負担といった観点から、抜本的な改革を行っていく必要がございます。
      また、公共事業のあり方も、大きく見直していかねばなりません。費用・便益分析の徹底、受益と負担の明確化、国と地方の役割分担、行政のアカウンタビリティの確保、などの観点から、硬直的と言われる公共事業費の配分を見直し、総額を抑制していく必要がございます。その際は、入札制度の改革などを通じて、公共事業のコストを民間並みに引き下げていくことも、併せて必要になります。
      ただ、財政改革は必ずしも歳出カット一点張りということではないと思います。財政構造改革を進めていく上で重要な視点は、「経済の活性化」であります。情報通信インフラや国際ハブ空港など、これからの経済の発展にとって必要な分野には重点配分していくという発想を忘れてはなりません。

    7. 教育改革
    8. 次に、将来の日本を背負って立つ人材育成のあり方についても、一言意見を申し上げたいと思います。
      新しいビジネスへの挑戦など、自らフロンティアを切り拓いていくことが重要視される21世紀の日本においては、自分で問題や課題を発見して、解決する主体性を持ち、また、新しい物事の創造に挑戦する意欲と能力を備えた「創造的な人材」が求められることになります。そのためには、まず、これまでの記憶力や暗記力に頼った画一的な教育を改め、多様な個性を伸ばし、多様な針路が選択できる教育システムを確立すべきであります。
      しかし、人材の育成という問題を考えます時、私ども、企業の側にも責任の一端があったのではないかと痛感するところでございます。企業が、これまで、どちらかと言えば、色々な知識を詰め込んだ“平均点”の高い学生・生徒を求めてきたことは否定できません。そして、会社に入ってからも、その“平均点”を上げ、組織の中で絶えず“横並び”を意識しながら仕事をこなしてゆく、そうした人間を沢山作ってきたように思います。この傾向は、教育の現場にも、少なからず反映してきた面があると思われます。 こうした今までのやり方は、組織としてのパワーを発揮する上で有効に機能しましたが、自らフロンティアを切り拓く創造的な人材を育てるという面からは、反省すべき点が多々あるように思います。企業としても、今後、若い人達の個性や創造性を十二分に発揮させるという観点から、採用や人事制度のあり方、組織のあり方等を改革していかねばならず、経団連としても、現在、鋭意取り組みを進めているところでございます。

  5. 政治のリーダーシップへの期待
    1. 以上の課題は、いずれも「痛み」を伴うもので、なおかつ、一刻も早く実行に移す必要があるものばかりで、改革の実現にあたっては、政治の強力なリーダーシップが求められることになります。
      従いまして、これからの政党や政治家には、自らの政策立案能力を高め、日本の進むべき道を国民に示すとともに、これを実現させるための政策を立案・決定することが求められます。
      国民や企業においても、政治に対する関心を高め、投票を通じて政治に参加し、自らの意思を反映させることが重要でございます。また投票に際しては、当然のこと、候補者の政策を重視する姿勢、言い換えれば、「誰が日本を良くするのか」という大局的視野にたった判断が求められることになります。
      なお、国民の意向が正しく選挙結果に反映されるためにも、選挙における「一票の重み」に格差が生じてはなりません。もし格差が生じた場合には、最新の人口調査に基づき、選挙区の改定を速やかに行う必要があると考えております。

    2. 経団連としても、企業人の政治に対する関心を高め、政治参加を促進することを目的に、昨年「企業人政治フォーラム」を設立し、政治との対話に努めているところでございます。今後は更に、企業人による政党・政治家への政策提言などを含め、幅広い活動を行ってまいりたいと考えております。

  6. 企業の責務、経団連の役割
    1. 企業自らの取り組み
    2. 経済社会の改革は、政府や政治への要望だけでは実現出来ず、我々経済界自身の取り組みも、当然必要となってまいります。私ども経営者としては、21世紀の経済社会の担い手としての自覚を持って、変化と創造をリードしていくとともに、文字通りの「企業家精神」を発揮していかねばなりません。
      経団連では、昨年5月以来、1000社近くにのぼる会員企業各社に、ベンチャー企業をそれぞれ最低1社以上は立ち上げるよう呼びかけております。ベンチャー企業を設立し、成功させることは決して容易ではありません。よく言われるように、「トップによるリーダーシップの発揮」「プロジェクトにチャレンジしやすい社内風土の醸成」「迅速な決断と行動」などが不可欠でございます。しかし、こうした試みを積み重ねていくことによってこそ、21世紀への明るい展望が開かれてくるものと確信しております。
      また、改革の推進にあわせて、企業には、従来以上に強い倫理観と自己責任・自立性が求められるようになってまいります。経団連では、91年に制定した「企業行動憲章」を、今般、全面的に改定するとともに、新たに実行のための手引きを作成し、会員企業・団体に遵守を求めているところでございます。先般生じた、一連の企業の不祥事は、誠に残念なことであり、繰り返すことがあってはなりません。企業としては、日頃から、自らの行動を絶えず見直し、自己規律の徹底を心掛けることが不可欠でございます。経団連としても、憲章の周知徹底に、より一層努めてまいる所存であります。

    3. 経団連自らが果たすべき役割
    4. 最後に、経団連自身が今後果たすべき役割について、私の考えるところを申し述べたいと思います。
      経団連では、毎年40以上もの提言を取りまとめ、世に訴えておりますが、今後とも、経済界自らが、国として進むべき針路を提示するとともに、その実現を図っていく必要がございます。
      こうした経団連の政策立案機能を強化するために、今年4月、「21世紀政策研究所」を設立いたしました。この研究所は、内外の研究機関と連携しながら、いわば、日本の知的センターを目指してまいりたいと思います。本格的な活動は、まだこれからですが、今後、

      1. 都市機能の更新を促す内需振興のあり方
      2. 規制緩和による具体的効果の実証
      3. アジア企業の投資戦略とわが国の地域産業政策
      4. 金融システム改革の進め方
      5. 財政再建下における社会保障制度の質的転換
      6. 少子化対策のあり方
      7. 循環型経済社会の構築と、そのための政策的手法
      8. 朝鮮半島の平和的統一に向けたわが国の支援のあり方
      9. 経済協力の実態と、その質的転換に向けた課題
      といったテーマの中から、重要度・緊急性の高いものを優先して取り上げてまいる予定です。

  7. おわりに
  8. 以上、わが国が抱える重要課題について、縷々申し上げてまいりましたが、これらを着実に推し進め、新しい経済社会システムの構築に貢献することこそが、21世紀に向けて経団連に与えられた使命と認識しております。そのためには、私どもとしても、柔軟な発想を持って、絶えず原点に立ち返ることを忘れず、また時には自らの痛みを伴うことも辞さずに、ことに対処していかねばなりません。
    いずれにいたしましても、「言うは易し、行うは難し」であり、大事なことは「いかに行動し、実行していくか」です。私が経団連会長に就任して、間もなく丸3年が経過しますが、残された任期も、全力で行動してまいる所存でございます。
    ご静聴ありがとうございました。

以 上


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