ここに、基本的な理念として「我々が目指す日本の未来」をお示ししております。私たちは日本が目指すべき国家像として、「活力あるグローバル国家」を提唱いたしました。これは国民や企業の自由な創意工夫と活力が最大限尊重されるとともに、地球的な視野で行動し、責任を果たすという国家をイメージしております。
その具体的な姿として、国内では「真に豊かで、活力ある市民社会」を構築するとしております(5ページ)。
その具体的な姿を簡単にご紹介いたしますと、
- まず、経済の面では、「官から民へ」の原則のもと、規制のない、また行政に依存しない、真の自由主義経済が実現されている、
- 政治・行政の面では、政治のリーダーシップのもとに国の進路が決定され、透明で小さく効率的な政府が、それを着実に実行している、
- 地方行政は、市民の声の届く所にあり、地域の個性や多様性が反映されている、
- 個人は、自己責任原則とモラル・コード(倫理規範)の遵守を前提に、家庭、地域、職場の間にバランスのとれた暮らしを送っている、
- 企業は、厳しい企業倫理を前提に自由に活動し、国民の豊かさに貢献する商品・サービスの開発、提供を行っている、
- 市民活動団体は、機動的かつ多彩な活動を展開し、国民生活、政治にとって不可欠な存在となっている、
このような姿が「真に豊かで、活力ある市民社会」の具体的なイメージです。
また、対外的には、「世界の平和と繁栄に貢献する国家」を目指すこととしております(8ページ)。その特徴的な姿をご紹介いたしますと、
- まず、世界の中の日本として、自由、民主、人権、環境、自由主義経済などの理念に基づき、わが国の果たすべき国際的責務を内外に示し、着実に実行している、
- また、これまでのように既存の政治・経済秩序に合わせるという外交スタイルを改め、世界各国と協力して国際的なルール・メーキングの一翼を担っている、
- 国際的な平和維持活動にできる限りの協力をしていくとともに、経済協力、環境、科学技術の3分野に重点を置いて世界に貢献している、
- 市場を一層開放し、貿易・投資の自由な交流が拡大している、
- また、これらの前提として、一人ひとりが相手の立場や歴史、文化的背景を尊重するとともに、自分の国を愛し、自国の歴史や文化についての理解を深めている。