日本イラン経済委員会総会(委員長 相川賢太郎氏)/7月1日
歴史的に見て、湾岸では、英国の撤退後の空白をイランのシャーが埋めたが、79年のイラン革命後はイラクのサダム・フセインが新たに生まれた空白を埋めようとしてイラン・イラク戦争を始めた。その後は、湾岸地域に展開する米軍がこの空白を埋めている。日本政府は、米国との良好な関係を維持するだけでなく、湾岸のすべての国と良好な二国間関係を維持しようとしている。
特にイランは地域の大国であり、国際的にはいろいろな疑惑はかけられているものの、同国に対しては、孤立化政策よりも、対話路線を継続することが必要と考えている。
米国は大統領選挙の結果自体は好ましいものとしているものの、サウジにおける米軍住宅の爆破事件が未解決でもあり、その捜査結果次第では、(たとえイランが好ましい方向に変化していったとしても)対イラン措置を強化する方向に動くこともあり得る。米国が態度を硬化すれば、イラン国内の教条主義者に対しタマを与えることになるので、両国の関係は改善しないだろう。
イランを巡る環境が改善する可能性については、変数が多く、現時点で判断することは難しい。