経団連くりっぷ No.67 (1997年11月27日)

なびげーたー

経団連の広報活動の戦略化をめざして

社会本部長 池 誠


経団連活動を円滑に進めるためには、社会の理解と共感を得ることが不可欠であり、広報活動も戦略化・重点化を図っていかねばならない。

経団連では、豊かで活力ある日本経済を構築するため、さまざまな委員会活動を展開しているが、この活動成果の円滑な実現を図るには、経団連の活動に対する国民の理解を得ることが不可欠である。

その見地から経団連では、これまで豊田会長による原則月2回の記者会見をはじめ、意見書・重要会議に関する記者会見やインタビュー(主に委員長や部会長による)、関係資料の配布、会長等のコメントの発表、さらに『月刊keidanren』や本誌『経団連くりっぷ』等の発行、あるいはホームページの設置・活用(毎月約18万件のアクセス)等を行なっている。さらに経済広報センターの協力を得て分かり易いパンフレットを出版するなどにより、広報活動を多面的に行なってきている。

しかし時折、有力会員企業のトップが経団連の意見とまったく異なる見解を新聞紙上等で発表されたりするのを見ると、重要な問題であればあるほど、エネルギーを集中していくことが大切であるだけに、改めて内部広報の必要性が痛感される。

広報委員会(委員長:樋口副会長)が先月行なった委員会メンバーへのアンケート調査を見ても、委員の62%は従来の経団連の広報活動を満足と評価しているが、不十分あるいはやや不十分、とみなす人たちも合計30%となっている。中でも、情報発信機能の強化、広報の戦略化、さらに海外広報の強化が必要との意見が多かった。

具体的には、とくに訴求力が大きい、短時間で重要なメッセージを印象深く伝えられることなどから、今後はテレビをもっと積極的に利用する必要があり、皆様にもご協力願いたい。やはりトップが考えていることを自分の言葉で率直に訴えることは計り知れない効果がある。ほかにも、トップによる記者との頻繁な懇談や会見、さらに論説委員等との懇談も効果的と考えられる。

また情報機器の活用が進んでいる今日、インターネットの一層の活用を図り、例えば、会員企業のホームページとのリンクを張るなどにより、多様なニーズに応えていくことも有効であろう。

広報委員会、会長・副会長会議の検討の結果、重点的に取り組むべき広報テーマとしては、目下、経団連が最重要課題として取り組んでいる、税制改革、行政改革(含む規制緩和)、エネルギー・地球環境問題が上がった。今後この3つのテーマを中心に広報活動を展開していきたい。

なお、最後になったが、いかなる広報活動もその前提には、企業活動への信頼がなくてはならず、これを高めるため不断の努力を重ねていく必要があろう。


くりっぷ No.67 目次日本語のホームページ