経団連くりっぷ No.75 (1998年3月26日)

豊田会長の一言


3月3日(火)
ボストン日本協会における講演より(於:ボストン)

「21世紀を展望するにあたり、地球環境の保全、食料やエネルギーの確保といった人類共通の課題に日米両国が率先して取り組むことが重要である。また、日米は、共通の利益、目的、価値を有するパートナーであり、両国の若者の交流を拡大し、草の根レベルでの関係の強化を図ることが重要である。」

3月4日(水)
ハーバード大学アジア・センター開設記念シンポジウムにおける講演より(於:ボストン)

「官僚との癒着や総会屋問題など不祥事が多発しているが、これは日本の経済システムそのものへの信頼を損ないかねない事態と危惧している。自己責任原則と企業倫理の確立によって日本経済に対する内外の信頼を回復していかなければならない。信頼が根底にあってこそ規制緩和をはじめとする構造改革の推進やアジア経済の安定化への貢献など日本に託された使命を果たすことができる。」

3月5日(木)
21世紀政策研究所主催セミナーにおいて(於:ニューヨーク)

「日本は、金融システムの安定化、景気の下支えのための諸施策について、あらゆる手だてを講じている。これにより日本経済が抱える問題は、当面回避できる。しかし、アジアの経済危機、世界経済の安定成長に対する日本の責務の大きさを考えれば、緊急避難的な施策に続いて、日本経済の構造そのものを変えていくという構造改革のための施策が必要である。抜本的な規制緩和と税制改革を早急に進めなければならない。」

3月10日(火)
橋本総理と経済4団体長との懇談会

「来年度予算を早期に成立させることが肝要である。必要があればその後に直ちに対策をとればよい。特に、法人税をはじめとする税制改革を実施してもらいたい。総理にはリーダーシップを発揮して経済に喝を入れていただきたい。」

3月12日(木)
在京アセアン各国大使との懇談会

「わが国は、1日も早く景気を回復軌道に乗せ、アジア諸国からの輸入拡大を図らなければならない。これについてどのような協力ができるのか提案いただきたい。また、安定的な通貨制度のために、日本円もしかるべき役割をはたしていく必要がある。経団連としてもアジアの通貨・金融危機に関する具体的な協力のあり方について特別の検討会を設けて議論している。」


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