経団連くりっぷ No.90 (1998年11月26日)

「生活空間情報基盤」の総合的、集中的な構築が急務

地理情報システム(GIS)の高度利用のための提言をとりまとめ


地理情報システム(GIS:Geographic Information System:各種の情報を電子地図に結びつけてビジュアルに分析し、戦略的な判断を行なう)に対するニーズが高まっている。しかし、経団連が主要会員企業を対象にアンケート調査を行なったところ、企業が地理情報システムの利用を進める上での主な阻害要因として、データの整備/維持・更新に関するコストならびに利用できるデータの不足があげられ、また、行政が早急に対応すべき課題として、行政のもつ地図/統計/台帳等の情報の電子化と電子的公開等が多く指摘された。そこで、経団連では、GISの高度利用の基礎となる地図、行政、経済、環境等のデータ等は「生活空間情報基盤」であり、その構築のための時限的推進法の制定、各省庁を統括する専門組織の設立、行政情報の原則電子化、ネットワークによる提供等を今後3年以内に行なうことを強調した提言をとりまとめた。

(提言の概要は8頁参照)


経団連「GISに関するアンケート調査」より抜粋

(件数)

企業がGISの利用を進める上での問題点
データ整備に要するコスト 87
データの維持・更新に要するコスト 65
利用できるデータの不足 59
システム、端末等の整備コスト 28
データ流通の際の著作権等知的財産権の問題 21
データ流通の際のプライバシー、企業秘密等 8
その他 23

行政が早急に対応すべき課題
行政の地図データの電子化・公開 101
GIS共通・相互利用の基盤整備促進 81
行政の統計データの電子化・公開 79
行政の台帳データの電子化・公開 67
制度見直し 65
公的分野のGIS整備・利用促進 54
民間のデジタル地図の公的分野での促進 36
その他 164


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