経団連くりっぷ No.92 (1998年12月24日)

今井会長の一言


12月3日(木)
経済広報センター事業活動に関する懇談会(於:大阪)

「戦略的な科学技術の振興が必要である。日本は、製造業で外貨を稼ぎ、エネルギー、食料を輸入しなければならない。情報、バイオ、宇宙などはアメリカに水をあけられている。アメリカは産学一体でこれらを進めてきており、日本も国家戦略として技術開発を展開しなければならない。」

12月7日(月)
津島代議士との政経懇談会

「今の閉塞感、将来への不安感を解消するためには、社会保障制度を信頼できるものに改めなければならない。基礎年金部分、老人医療、介護保険は、ナショナルミニマムとして、税で賄うべきである。現行制度は、世代間の負担の不公平を高めるし、このままでは維持できない。」

12月7日(月)
会長副会長会議後の記者会見

「景気の現状については、足下でまだ不安定要素がある。最も懸念されるのは金融問題である。また、GDPの60%を占める民間設備投資が伸びていないのも悪い要素である。今年は、対前年比マイナス15〜16%になるだろう。これがGDPを2%程度引き下げる要因となっている。公共投資も民需の穴を埋めるところまでいっていない。」

12月9日(水)
読売国際経済懇話会における講演

「ここ3年程度は、財政によって下支えしないと景気は上向かず、国際的な責任も果たせない。このため当面、多額の公共投資を行なっていくことは止むを得ない。民間活力を高め、日本の競争力を保つためには基盤整備が必要である。高コスト構造を是正するとともに、規制緩和を進めなければならない。また、21世紀の産業が発展するために技術開発政策を強化することが必要である。」

12月14日(月)
『月刊keidanren』2月号特集座談会「アジア諸国の期待にどう応えるか」

「アジアミッションで一番印象に残ったのは、GDPでアジアの70%をしめる日本経済への期待が大きいということである。日本経済が回復しないと、アジア経済の回復はない。アジアの経済危機の原因は短期資金の急激な流出入による。短期資金の問題については、アジアのみならず世界的に検討しなくてはならない。また、アジア地域における円のウエイトを高めることが必要である。」


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