経団連くりっぷ No.133 (2000年10月12日)

今井会長の発言から


9月29日(金)
簡素で効率的な政府をつくるため特殊法人改革が不可欠です
−野中自民党幹事長・与党行財政改革推進協議会座長との懇談会

「いよいよ来年の1月6日から中央省庁の再編成が行なわれます。簡素で効率的な政府をつくるためには、中央省庁改革にとどまらず、特殊法人改革を実施しなくてはなりません。特殊法人改革については、5年以内に廃止を含めた抜本的な見直しが行なわれることになっています。しかし、政治の決断がなければ、こうした改革を実際に断行することはできません。与党行財政改革推進協議会における検討を大いに期待しています。また、自民党では、特別会計と特殊法人の連結財務諸表の検討を進めています。特殊法人の経営をガラス張りにしていくためにも、特殊法人とその子会社や関連公益法人との連結財務諸表の作成についても、積極的に検討する必要があります。」

10月2日(月)
財政構造改革のグランド・デザインのたたき台を策定しました
−会長・副会長会議後の記者会見

「経団連では、将来の不安を払拭し、21世紀において国民が安心して暮らせる経済社会を構築するため、まず、税制、社会保障、地方行財政などの歳入・歳出を包括した財政構造改革のグランド・デザインを策定することの重要性について、5月の総会決議7月の第二次森内閣への要望などで訴えてきました。もちろん現在は、景気回復を軌道に乗せることが最優先です。2%成長が1年程度続くことを確認してから、財政構造改革に着手すべきで、いますぐ本格的な改革をはじめるわけではありません。しかし、痛みを伴うものであっても、どのようなスケジュールで、どのような改革を行なうべきか議論する時期にさしかかっていると思います。
こうした観点にたって、今般、5つのモデルケースに分けた財政構造改革の試算をまとめました。これをたたき台にして、政府・与党をはじめとする関係方面に具体的な検討を促したいと思っています。このモデルケースは、
(1)歳出見直しを行なわずに負担増で対応、
(2)国・地方の歳出のみ抑制、
(3)社会保障を含めた歳出全般の見直し、
(4)社会保障を含めた歳出全般の見直しを行なうが社会保障の公費負担割合を引き上げ、
(5)歳出抑制し早期に財政再建、
というものです。
(1)、(2)、(5)のケースは、国民負担率が60%〜70%となり、経済活力が大きく損なわれます。一方、社会保障制度改革を行なう(3) 、(4)のケースは国民負担率が46%程度にとどまります。どのような財政構造改革を選択すべきか、国民レベルでの議論が行なわれることを期待しています。」


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