経団連くりっぷ No.146 (2001年4月26日)

今井会長の発言から


4月9日(月)
タイ、シンガポールから、日本との貿易、投資の一層の拡大に向けての要望がだされました
−定例記者会見

「4月3日から7日にかけてタイとシンガポールを訪問しましたが、米国経済の減速が東南アジアの輸出に与える影響の大きさを再確認しました。
タイでは、タクシン新首相はじめ閣僚が、日本のこれまでの貢献を評価しており、日本との関係を今後とも最重視すると発言されました。また、引き続き外資を重視し、これまでの投資促進に関する約束を守ると言われました。これで、タクシン政権が外資の規制強化に向かうのではないかという懸念は取り除かれました。また、日本がタイからの農産物の輸入促進をはかってほしいという要望がだされました。
シンガポールでは、ゴー首相はじめ閣僚が、経済連携協定を年内にとりまとめたいと発言されました、また、同協定に関する経団連のこれまでの協力に感謝の意が表明されました。アセアン加盟国間の関税の引き下げを行うAFTA(アセアン自由貿易地域)については、来年、予定通り実施すべきであり、日本からもアセアン各国に対して、その必要性を指摘してほしいという要望がだされました。」(10頁参照

4月10日(火)
企業が厳しい国際競争に耐え、勝ち残っていける会社機関の設計が必要です
−第52回監査役全国会議における挨拶

「急速にグローバル化が進み、人も企業も国境を越えて移動し、活躍する時代になりました。企業行動の根本を律する商法は、これまで時代の変化に超然としていましたが、機動的改正が必要です。
そこで、ほぼ100年間、基本的構造に手がつけられてこなかった商法の抜本改正が行われることになりました。商法改正の主力は、来年の通常国会で行われますが、重要度の高い株主代表訴訟制度の見直し、監査役機能の強化、金庫株の解禁などは今次通常国会において、議員立法で先行して進められます。
法制審議会が、現在の会社機関を大幅に変更し、社外取締役を法制化する方向で検討を進めていると報じられました。これは、米国型の会社制度の理念型を導入しようという内容ですが、「実際の企業経営の視点」が十分考慮されていません。企業経営の骨格となる会社機関は、企業が厳しい国際競争に耐え、勝ち残っていけるよう設計されるべきです。現実の経営現場は、競争力の向上と経営の効率化を実現する会社機関を求めており、取締役会のスリム化などが進められています。社外取締役の導入は、株主や企業の経営者の判断で決めるべきものであって、法律が強制すべきものではありません。」


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