経団連くりっぷ No.150 (2001年6月28日)

今井会長の発言から


6月11日(月)
ロシアは改革の最中にあり、たくさんのビジネスチャンスがあります
−記者会見

「今回のロシア訪問で、プーチン大統領の改革にかける情熱がわかりました。社会主義崩壊後の無政府状態から、民主主義と自由経済に基づく強い社会をつくっているのが今のロシアです。懇談した国会議員の全員が、早急に法制を整備するという改革派であり、期待できます。
ロシアは国自体を信認できるようにし、投融資に対して、100%の政府保証はつけない方針です。そこで、国際協力銀行、貿易保険、民間保険・金融会社と相談して、リスクを回避し貿易投資を伸ばす方法を考えないといけません。ビジネスチャンスはたくさんあり、金融を工夫しながら、商売を伸ばすことができます。
私から2つ提案をし、プーチン大統領の賛同をもらいました。1つは投資促進機構を創設し、投資の手伝い、紛争時の仲介・斡旋を行うことです。もう1つは、日本製品の見本市の開催です。ロシアは設備投資を10年間しておらず、老朽化がひどく、2002〜2003年には、いやでも更新が必要になります。そこで、日本製品をできるだけ紹介する機会を設けるのです。ロシアでは、新しい経営者が育っており、人と人、企業と企業の交流が増え、両国のビジネスが伸びることを期待しています。」

6月14日(木)
国、地方を合わせた財政のプライマリーバランスの改善が重要です
−塩川財務大臣との懇談会

「小泉総理と塩川財務大臣は、財政構造改革の目標として、国債費の範囲内に新規国債発行額を抑えるというプライマリーバランスの改善を掲げています。これは、『財政をこれ以上悪化させない』という意味で、非常に心強く感じています。
2001年度予算における国のプライマリーバランス赤字は11兆円であり、現行制度のままでは、来年度以降も赤字が拡大し続けると見通されています。財政の持続可能性を確保するためには、国だけでなく地方も合わせた財政全体のプライマリーバランスの改善をはかる必要があります。
政府は、将来の財政や国民負担の姿についてのグランドデザインを国民に提示するとともに、できるだけ早く具体的な財政の構造改革に着手する必要があります。
小泉総理が提唱されたように、まず、来年度予算編成において新規国債発行額を30兆円以下に抑えるには、3兆円以上の歳出削減が必要になります。経団連は、こうした歳出削減を全面的に支持するとともに、今後2〜3年は、まず構造改革を優先させ、低成長となることも覚悟しなくてはならないと考えています。」(7頁参照)


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