経営タイムス No.2649 (2002年10月10日)

日本経団連、常任理事会を開催

−知的財産めぐる動きなど報告


山崎拓・自民党幹事長が講演

日本経団連は2日、東京・大手町の経団連会館で常任理事会を開催した。山崎拓・自民党幹事長を招いて講演を聴取した後、丸島儀一・産業技術委員会知的財産部会長が最近の知的財産をめぐる動きについて、和田龍幸事務総長が日本経団連の政治への取り組みについて、それぞれ報告した。

山崎幹事長は、当面の政治情勢と国内外の重要政策課題について、小泉改造内閣の発足をはじめ、不良債権処理の方策、資産デフレ対策のあり方、さらには米国経済の動向などを中心に講演した。

講演後の報告ではまず、丸島部会長が、最近の知的財産をめぐる日本経団連の取り組みや、その反映状況について報告した。
日本経団連では現在までに、「知的財産を核にした産業競争力の強化に関する考え方について」(2002年1月)、「知的財産戦略についての考え方」(同6月)、「産業競争力の強化に向け、知的財産基本法(仮称)の早期成立を望む」(同9月)――と題する提言を発表。
各提言の主な意見は、(1)知的財産の創造の推進 (2)知的財産の保護の強化 (3)知的財産の活用の促進 (4)知的財産関連人材の養成 (5)科学技術政策と知的財産政策の融合――が挙げられる。
その実現に向けて、引き続き関係省庁との意見交換や、関係法制の整備を求めていく予定である。

続いて、和田事務総長が日本経団連の政治への取り組みについて報告した。
近年、政策決定の重心が「官」から「政」へと移り、また経済社会の抜本的構造改革が求められていることを受け、経済界の考えを直接政治に伝える必要性が高まっている。そこで、税制改正や商法改正などの経済界からの政策提言の実現に向けた政党幹部や有力政治家との対話促進、経済界出身候補者の支援(これまでに加納時男、近藤剛両参議院議員を支援)――といった具体的活動を推進している。
日本経団連では、1996年から「企業人政治フォーラム」を主催し、企業人と政治家とのコミュニケーション促進、企業人への政治情報の提供、調査研究などに取り組んできた。
今後は、各地での講演会やシンポジウムの開催、部課長クラスを主体としたプロジェクトの実施、インターネットを利用した情報交流強化を重点的に行っていく予定である。


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