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経営タイムス No.2663 (2003年2月13日)

日本経団連「企業人政治フォーラム」、大下英治氏招き講演会


日本経団連(奥田碩会長)は7日朝、東京・大手町の経団連会館で、ノンフィクション作家の大下英治氏を講師に招き、「企業人政治フォーラム(前田又兵衞会長代行)講演会」を開催した。
大下氏は、「小泉純一郎VS抵抗勢力−2003年の政局を占う」をテーマに、小泉政権の動向などについて所見を述べた。講演会には、同フォーラム会員の経営トップら120名が詰めかけた。

大下講師は、田中角栄元総理以後、政界をリードしてきた政治家の人柄や政治姿勢、エピソードを紹介、政治家に必要な人間関係、知力、度胸などについて、政局の場面、場面にあてはめ、わかりやすく解説した。
次いで、小泉政権の誕生について大下講師は、「小泉氏は総裁選立候補を当初、ためらった。それを促したのは、田中真紀子氏である」と語り、「小泉氏が勝利したのは奇跡的なこと。だが、これは、橋本派の力の低下を意味している」とした。
加えて、「政治家同士のしがらみもなく、小泉総理には失うものがない」ことから、「抵抗勢力にも決してひるまない。度胸もある」と紹介。その上で、「国民の支持率と党内の支持率の関係が足して100%となることが政権維持の条件である。国民の支持率が80%の時は、抵抗勢力を敵に回しても、党内で20%の支持があれば、政権は持つ。今後、さらなる景気悪化などで、国民の支持率低下を招くと、党内の支持が必要となる。そして、抵抗勢力の考えを無視できない状況が生まれる可能性もある。抵抗勢力に妥協すると国民の支持率がさらに低下するジレンマに陥る」と今後の政局を占った。

企業人政治フォーラムは1996年に企業人の政治への参画意識を高めるため旧経団連が発足させたもの。企業人と政治家の意見交換の場を設け、企業人の政治への関心を高めるとともに、政治家にも経済界の実情を理解してもらい日本の政治を変えていくことが狙い。
同フォーラムでは、有力政治家との政策懇談会、若手政治家との政策懇談会、若手・中堅社員対象の政治集中セミナーなどを行っている。
さる1月1日に発表した日本経団連の新ビジョン「活力と魅力溢れる日本をめざして」の中でも、今後、改革の実現のため、日本経団連は、同フォーラムの機能を強化し、政治との新たな協力関係を構築するとしている。

同フォーラムは、個人会員(日本経団連もしくはこれに準ずる経済団体の役員および社員・職員)と法人会員(日本経団連もしくはこれに準ずる経済団体の会員企業・団体)で構成される。
企業人政治フォーラムに関する問い合わせ・申し込みは、日本経団連企業人政治フォーラム事務局(電話03―5204―1766)まで。


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