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経営タイムス No.2664 (2003年2月20日)

日本経団連、環境省との懇談会で規制的措置に反対姿勢示す

−産業界の環境対策取り組み実績を説明


日本経団連と環境省の懇談会が18日朝、東京・永田町のキャピトル東急ホテルで開催され、廃棄物・地球環境問題などで意見を交換した。席上、日本経団連側は、二酸化炭素(CO2)排出量削減など産業界の自主的取り組みが進展していることを報告。その上で「国内排出量取引、環境税といった規制的措置の導入には反対」との姿勢を示した。

冒頭あいさつで、奥田碩会長は、日本経団連の新ビジョンで、「環境立国」をわが国の国際競争戦略のひとつに位置付けていると強調。鈴木大臣が「経済と環境の両立」を政策目標に掲げているが、「新ビジョンも経済と環境の両立をめざすために、企業が何をすべきか提案したものである」と説明した。
これを受け、鈴木俊一大臣は、「積極的な環境対策こそが、新たな技術や産業を生み出す力となる」との考えを示し、「今後は、環境保全が経済活動の中に組み込まれた社会構築をめざしたい」と述べた。

「廃棄物・リサイクル問題」や「地球環境問題」に関して、日本経団連側の取り組み内容や基本姿勢などが示された。
「廃棄物・リサイクル問題」については千速晃副会長が、日本経団連の「環境自主行動計画・第5回フォローアップ(廃棄物対策編)取りまとめ結果」をもとに、「32業種の2001年度産業廃棄物最終処分量の合計は、1920万トンになった。これは、1990年度比で約70%の削減になり、2005年度目標を2年連続で前倒し達成したことになる」と説明。
続いて、山本一元環境安全委員会共同委員長も、「地球環境問題」に関する報告の中で、同フォローアップ結果で2001年度のCO2排出量が1990年度比3.2%減と着実に目標を達成していることを挙げ、こうした産業界の実績を踏まえ、「日本経団連として協定化や強制的な国内排出量取引、環境税といった規制的措置の導入には反対」との姿勢を示した。
さらに、秋元勇巳資源エネルギー対策委員長は、経済と温暖化対策を両立させるには原子力の推進が不可欠として、原子力の安全性確保、適切な情報開示を前提に「産業界、国、地方自治体は国民の理解を得る必要がある」と指摘した。

続いて、鈴木大臣が「環境対策は経済の制約要因でなく新たな成長要因と捉え、環境の保全と経済活性化を一体化させていくことが重要」と強調。その実現に向け、「今後も定期的に意見を交換したい」と要請した。
日本経団連側は、定期的な懇談会開催について「前向きに検討したい」と答えた。


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