日本経団連タイムス No.2738 (2004年9月16日)

日本経団連、財政制度委員会が会合を開く

−日本の財政状況を聴取/細川財務省事務次官と意見交換


日本経団連の財政制度委員会(櫻井孝頴委員長)は3日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、財務省の細川興一事務次官から、「わが国財政の現状と課題」についての説明を受けた。

説明の中で細川事務次官は、社会保障関係費などの伸びが財政を圧迫していることや、累次の減税などによって税収が落ち込み、財政赤字が拡大していることを挙げ、「これ以上財政状況が悪化しないよう、財政構造改革を推進していく必要がある」と語った。

説明後、日本経団連から、「国債管理政策をもっと強化すべき。諸外国のような債務管理庁が必要ではないか」との意見が出たのに対し、細川事務次官は、「何より、財政規律に関する市場の信認を得ることが重要であり、毎年の予算編成において、改革の手綱を緩めないことが大事」と述べるとともに、「今年から国債をはじめ国の債務に関する管理レポートをまとめ、公表している」との発言があった。

また、「消費税率の引き上げについて早く議論すべきでないか」との日本経団連の意見に対して、細川事務次官は、「直接消費税率の引き上げに結びつくかどうかはともかく、議論が必要と考えている」とした上で、「いずれにせよ財政は長期的な視点に立って持続可能性を確保することが重要」と応じた。

会合ではこのほか、日本経団連が2003年1月に発表した新ビジョンで示した財政収支シミュレーションの再試算結果 <PDF>(詳細次号掲載)や、財政制度委員会の今後の活動についても審議を行い、同委員会の下部組織である企画部会(大内俊昭部会長)を中心に、財政の持続可能性確保のための方策について検討を深めていくことを決定した。

【経済本部経済政策担当】
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