日本経団連(御手洗冨士夫会長)は10日、2007年の優先政策事項を公表した。優先政策事項は、日本経団連の政策提言の中から、実現が特に急がれる重要政策を整理したもので、税・財政改革、社会保障制度改革・少子化対策など、10項目からなる。また、それぞれの項目について、現時点での日本経団連の考え方を「解説」として併せて公表した。日本経団連では、この優先政策事項に照らして、毎年秋に、政党の政策評価を発表するとともに、政策評価を参考にした自発的な政治寄付を会員企業に呼びかけている。
優先政策事項は、毎年改定しており、今回は主として、1日に発表された日本経団連の新ビジョン「希望の国、日本」の内容を反映させる観点から、06年の優先政策事項を改訂。日本を「希望の国」とするためには、(1)経済の成長力を最大限に引き出す戦略を実施する(2)簡素で効率的な政府を実現する(3)社会のあり方を刷新する――ことが必要との観点から、見直しを行った。この結果、従来以上に法人実効税率の引き下げやイノベーションの推進などを強調するとともに、道州制の導入や、新憲法制定に向けた環境整備といったテーマについても、これまで以上に強く主張する内容となっている。07年の優先政策事項は次のとおり。
日本経団連は、2007年1月、わが国が今後めざすべき道筋を具体的に示す新しいビジョン「希望の国、日本」を公表した。われわれが実現をめざす「希望の国」のかたちとは、確かな成長に裏打ちされた精神面を含むより豊かな生活であり、開かれた機会と公正な競争に支えられる社会であり、また、世界から尊敬され親しみを持たれる国である。
グローバル競争が激しさを増し、人口減少社会が到来する中、日本が「希望の国」となるためには、政治の強いリーダーシップによって、経済の成長力を最大限に引き出す戦略を実施するとともに、簡素で効率的な政府を実現するための改革を強力に推進すべきである。また、自主・自立の精神に基づいた選択の自由の拡大と人々の協調的行動を促す開放的・横断的な絆の強化に向けて、社会のあり方を刷新する必要がある。
このような観点から、当面、以下の10項目の政策の推進が極めて重要であると考える。
上記優先政策事項は、2007年の政党の政策評価の尺度となる。