日本経団連タイムス No.2879 (2007年10月11日)

日本経団連グリーンフォーラム9月講座開く

−「問題解決のロジカルシンキング」テーマに


「ロジカルとは“なぜ”をできるだけ多方面から考えること。この“なぜ”がなければ信用のおける答えにならない」。9月28日に都内で開催された日本経団連グリーンフォーラム9月講座の冒頭、講師を務めた堀公俊日本ファシリテーション協会会長は、ロジカルに問題を解決するポイントを「常になぜ、なぜ、と問い掛けること」と強調した。

この日のテーマは「問題解決のロジカルシンキング」。講座ではまず、問題を発見し、粘り強く分析して解決策を立案・実行し、結果を検証するプロセスの基本を学び、続いて、思考の筋道を追いかける「縦の論理」と、多面的な角度から考える「横の論理」から思考の深め方を探った。

思考の筋道を批判的に考え合理性を見いだす「縦の論理」では、主張の中のあいまいな表現や思い込みを見つける演習を実施。「論点がずれていないか」「一人よがりの前提ではないか」「データの質、量、鮮度は十分か」「判断基準が誤っていないか」「結論に具体性はあるか」「理想と現実を混同してはいないか」「論理以外の権威や感情に訴えてはいないか」など、さまざまな視点から論理的コミュニケーションを深めた。

多面的な角度から網羅的に考える「横の論理」では、問題解決ツールとしてツリー型、サークル型、マトリクス型などの「構造化」によってモレやダブリを検証する演習をグループで実施。モレによって大切なポイントを見落としてしまう危険性や、ダブリによって問題解決の効率が落ちてしまうことなど、合理的な答えを導き出すためにミッシー(MECE=モレなく、ダブリなく)で物事を構造化する必要性を確認した。

縦横の論理をもとに、最後にチームによる問題解決のポイントについても実習。問題解決と合意形成を同時に行う必要性から、組織の力を最大限に引き出し、問題解決のプロセスを促進させるファシリテーションのスキルについて学び、与えられた課題の最適解をグループで話し合って導き出すディスカッション・トレーニングを実施した。

各グループの発表後に堀講師は、「ロジカルに考え、こうしたプロセスを経ることで物事の本質が明らかになってくる。これで本当に考えたといえるか、本当に答えになっているかと常に疑って考えることで能力を高めてほしい」とアドバイスした。

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日本経団連グリーンフォーラムは今年5月の開講からこれまで、6月に「キャリアデザイン」7月合宿で「変革のリーダーシップ」8月に「目標達成のためのコーチング」、9月に「問題解決のロジカルシンキング」について実習を中心に学んだ。この後10月の「説得力・交渉力」で前期講座を終え、11月9日の前期振り返りでメンバーそれぞれが、まとめと発表を行う。

後期講座は11月27日に「マーケティング」、12月には日本経団連フォーラム21と合同開催による御手洗冨士夫日本経団連会長の講話、明けて1月は「共感をつかむプレゼンテーション」、2月の合宿講座で「実践プロジェクトマネジメント」を実習し、最後に全講座のまとめと各自の行動計画の発表を行う予定。

【日本経団連事業サービス研修担当】
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