日本経団連タイムス No.2953 (2009年6月4日)

日本経団連第10回総会(定時総会)開催

−「09年度事業計画」承認、「決議」を採択/新副会長3氏らを選任


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は5月28日、東京・大手町の経団連会館で第10回総会(定時総会)を開催した。総会には日本経団連の会員代表者約500名が出席。御手洗会長の開会あいさつに続き、麻生太郎総理大臣からのビデオによるメッセージ披露、二階俊博経済産業大臣からの来賓あいさつがあった。総会の議案はすべてが承認され、御手洗経団連4年目の体制と活動方針が決定した。

■ 御手洗会長あいさつ


会員代表者約500名が参加して開かれた
第10回総会であいさつする御手洗会長

開会あいさつで御手洗会長は、就任以来の3年間を振り返り、2007年1月のビジョン「希望の国、日本」、08年1月の新年メッセージ「成長創造〜躍動の10年へ」に基づき、優先課題の実現に精力的に取り組んだ結果、多くの具体的成果を得たと指摘。主なものとして研究開発・投資促進税制の拡充によるイノベーション加速に向けた環境の整備や、アジア諸国を中心とする経済連携協定(EPA)の締結のほか、ジョブ・カード創設や事業所内保育所の拡充などを挙げた。

その上で、サブプライムローン問題を受け経済情勢が激変する中、日本経団連がこれに柔軟に対応し、迅速かつ的確な提言を行った結果、政府が矢継ぎ早に打ち出した需要や雇用の創出につながる政策の多くにこれらの意見が反映されたと強調。課題は山積しているものの、このような難局にひるむことなく、将来を見据えた大胆な経済政策を速やかに実行するとともに、不退転の決意で経済社会の構造改革を推進しなければならないと決意を述べた。そのためにはあらゆる政策を総動員して、経済を持続的な成長軌道に回帰させることが最も重要と指摘、特に雇用の安定と創出に向けて、政労使一体の取り組みを進める一方で、世界に先駆け少子・高齢化、人口減少社会に対応した成長モデルの確立をめざすことが重要との考えを示した。

また地球温暖化問題に関して、経済界として引き続き自主行動計画を着実に推進し、CO2削減に積極的に貢献していくと述べた上で、新たな枠組みづくりにおいては、環境と経済の両立、すべての主要排出国の参加の基本原則の下、削減負担の国際的公平性、実現可能性、国民負担の妥当性を踏まえた実効ある仕組みとすべきと強調した。

さらに税制や社会保障制度の抜本改革については、中長期的な日本のあるべき姿を明確に打ち出し、消費税のあり方を含め具体的に改革の道筋を示すことが、責任ある政治の役目であると述べた。

■ 議案の審議

議案の審議では、役員等の補充選任、08年度事業報告と収支決算、09年度事業計画と収支予算、役員等の選任に関する議案が諮られ、全会一致で承認された。また、総会決議「政策を総動員して成長軌道に回帰する」が満場一致で採択された。

今次総会をもって、張富士夫・トヨタ自動車会長、三村明夫・新日本製鐵会長、古川一夫・日立製作所副会長が副会長を退任し、新たに渡辺捷昭・トヨタ自動車社長、西田厚聰・東芝社長、宗岡正二・新日本製鐵社長が副会長に選任された。また評議員会副議長には新たに大久保尚武・積水化学工業会長、大塚陸毅・東日本旅客鉄道会長が選任された。さらに地方団体長会議長には、氏家純一・野村ホールディングス会長に代わり、三浦惺・日本電信電話社長が選任され、地方団体長会副議長には、辻井昭雄・近畿日本鉄道相談役、岡部弘・デンソー相談役に代わり、山田隆哉・ジェイテクト会長、幕田圭一・東北電力会長が選任された。

【総務本部】
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